日本でもすっかりお馴染みになったのび~るトルコアイスは、言わずもがなトルコ発祥のアイスクリームです。日本に昔からあるようなアイスクリームとは違って、トルコアイスにはラン科の植物の塊茎からつくられるサレップ粉が原料に含まれているため、練れば練るほど伸びるようになっているのです。
日本でもトルコでも、トルコアイスの屋台では、その独特の粘り気を利用して客にアイスをなかなか渡さない、見ていて微笑ましくなるパフォーマンスが繰り広げられています。
トルコ最大の都市、イスタンブールの観光地でもこのようなパフォーマンスが連日繰り広げられており、トルコアイスを片手に街の観光を楽しむのは、もはやイスタンブールの定番です。しかしここ最近、このトルコアイスを売る屋台にも変化が見受けられます。
圧倒的に多いのはもちろん昔ながらのトルコアイス屋ですが、最近は「ドンドゥルマル・イルミック・ヘルヴァス」を売る屋台も徐々に増えつつあるのです。
ドンドゥルマとは、トルコ語で「凍らせたもの」という意味で、つまりトルコアイスのことです。イルミックは、粗挽きにしたセモリナ粉(小麦、稲、トウモロコシなどを製粉して得られる粗い穀粉)のことで、ヘルヴァとは、イルミックとグラニュー糖、水、バター、松の実を煮詰めて作るトルコの伝統的なお菓子です。
名前を聞いたではいったいどんなアイスクリームなのが見当が付きませんが、実はこれは昔からトルコで一般的に食べられている組み合わせなのです。ホールのケーキくらいの大きさのものを家庭で切り分けて何人かで食べるのか一般的でしたが、食べ歩きできるスイーツとして一人分を程よい大きさのカップに入れて販売したところ、見事にヒットしたのです。
「ドンドゥルマル・イルミック・ヘルヴァス」は、通常のトルコアイス屋のような屋台で購入することができます。屋台にもよりますが、サイズは小さいものなら6TLくらい、大きいものなら10TLくらいです。
注文すると、店員さんがカップ底にアイスクリームをぎっしりと敷き詰めていきます。そしてその上にイルミック・ヘルヴァスをカップの淵のすれすれまで入れ、ヘラで擦切るようにして表面を平らに整えます。このまま食べても美味しいのですが、お好みでナッツやチョコシロップ、キャラメルソースをトッピングすれば見た目も華やかになります。
ひんやりとしたアイスクリームと温かいヘルヴァの組み合わせがなんともクセになり、混ぜるほどに味がなじんできます。セモリナ粉独特のつぶつぶ感は、アイスクリームと一緒に食べると食べなれてない日本人でもあまり気にならないでしょう。
旅先でちょっと変わったご当地のスイーツに挑戦してみたいな、というかたはぜひトルコの「ドンドゥルマル・イルミック・ヘルヴァス」に挑戦して、いつもとは違うトルコアイスの味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
イスタンブールでは、旧市街のエジプシャン・バザール付近、新市街ならタクシム広場から延びるイスティクラル通りなどに屋台がありますよ!
Post:GoTrip!http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア