mStableの基盤トークンであるMeta(MTA)は、7月18日にトークンセールが実施され、1 MTA = 1.81 USDで販売された(調達額は472万ドル)。トークンの価格は、7月19日の3.65ドルから8月31日時点では7.68ドルへと上昇し、8月31日の時価総額は2,700万ドルを付けた(その後、価格は2.4ドル、時価総額は800万ドルにまで下落)。
mStableとは、2020年5月にリリースされたETH基盤のプロトコルであり、複数のステーブルコインを1つに統合するものである。例えば米ドルにペッグするステーブルコインだけで様々な種類が存在するが、個々のステーブルコインにはカウンターパーティリスクが存在し、ユーザーも流動性不足というリスクを抱えているとの問題意識があるらしい。mStableは、これらを解決することを目的に作成されたものとされている。ユーザーはUSDT, USDC, DAI, TUSD などの米ドルにペッグするステーブルコインを預けることで、mUSDを発行することができる。9月1日時点では、mUSDを発行するために預けられたステーブルコインは、USDTとTUSDがほぼ二分する格好となっている。
MTAの保有者は、すべてのシステムの収益の一部を報酬として受け取る。具体的には、mStableの交換にともなう取引手数料と、第三者に貸し付けるレンディング・プロトコルから発生する金利である。預けられた資産はCompound やAAVEなどのプロトコルでレンディングされている。今後の計画ではCeFi やDeFiサービスに対するソフトウェア開発キットの提供や、mGLDやmBTCなどのステーブルコインを発行することでサービスが拡充される予定である。