インターネットイニシアティブを筆頭株主とする暗号資産(仮想通貨)取引所ディーカレットは26日、トヨタシステムズと2020年10月より、デジタル通貨に関する実証実験を共同で開始すると発表した。

実証実験では、ディーカレットが構築している「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、独自デジタル通貨を発行して、トヨタシステムズの福利厚生における決済処理や自動化についての技術的な検証を行う。

具体的には、トヨタシステムズ社員が福利厚生として付与されたデジタル通貨を、実証実験専用に用意されたカタログギフトや福利厚生ポイントへの交換に利用するという。交換されると、実行された記録がスマートコントラクトへ書き込まれ、取引額に応じたデジタル通貨が全社員に用意された専用のウォレットから、商品・ポイントのウォレットへ即座に送付する仕組みについて検証し、有効性を確認するとしている。

今回は、トヨタシステムズ全社員の約2,500名以上が参加する大規模な実証実験であり、ブロックチェーンにおけるP2P(コンピュータ同士が直接取引する仕組み)モデルのスケーラビリティ(取引処理能力向上に関する技術的な問題)の課題や、多数の実験参加者による業務運用性課題などを検証していくと伝えている。

両社は、今後も、デジタル通貨やスマートコントラクト等のテクノロジーの活用を通じ、決済業務の効率化・迅速化を推進していく意向を示している。