以下は、フィスコ・マーケットレポーターのタマラ・ソイキナ(ツイッター@ crypto_russia)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2021年1月27日に執筆

最近日本の仮想通貨(暗号資産)取引所で新しく海外のブロックチェーンプロジェクトが上場する事例が増えてきました。日本ではあまり知られていなくても、世界的に大きなコミュニティを持ち、将来性のある野心的なプロジェクトは多くあります。

今回は、ビットコイン上のスマートコントラクトRSKを活用したオープンソースの分散インフラプロトコル群であるRIFの研究開発を行うIOVlabsのCEOで、RSK共同創業者のディエゴ・ギターレス・ザルディバール氏にお話を聞く機会をいただきました。

タマラ(以下、「タ」)「ディエゴさん、宜しくお願いします。RSKは『New global financial ecosystem』というミッションを掲げていますが、プロジェクトの紹介を兼ねて、RSKが目指す理想のエコシステムについて教えて下さい。

ディエゴ(以下、「デ」)「タマラさん、宜しくお願いします。RSKは、ビットコインにスマートコントラクトを可能にした最初のサイドチェーンで、マージマイニングにより世界で最も安全なスマートコントラクトプラットフォームとなっています。その後2018年には、RSKとビットコイン上で開発されたdAppsを構築するためのソリューション群『RSK Infrastructure Framework (RIF)』を導入しました。私たちは、プラットフォームの上に構築された多くのソリューションを通じて、将来金融システムを実現するための基礎を築くことを目指しています。

タ「スマートコントラクトプラットフォームとしてイーサリアムが最大規模を誇り、最近ではPolkadotやCosmosなど、異なるブロックチェーン間でも運用可能なプラットフォームも出てきました。こうした中、RSKはどのようなポジションを確立していくでしょうか?」

デ「良い質問ですね!RSKで生成されたすべての手数料は、マージマイニングを介してビットコインマイナーに渡るので、2つのネットワーク間のシナジーが高く利益相反が発生しません。

さらに、すべてのオペコードとプログラミングインターフェース(RPCコール、Web3など)においてEVMと(バックワード)互換性のあるRVMを使用してスマートコントラクトを処理する能力を持っています。RSKのコンセンサスプロトコル、DECOR+は、Ethereumに存在するセルフィッシュマイニング攻撃を解決できるため、RSKはEthereumの柔軟性とビットコインのセキュリティ両方のメリットが享受しながら、ビットコインをネイティブ通貨として使うことができます。世界で最も安全であるだけでなく、取引手数料が非常に安く、ビットコインのトランザクションコストは4セント、トークンでは10セント以下です。さらにマイナー間での動的な最低ガス価格設定があるため、RSKでの取引手数料は非常に安定しています。」

タ「2020年はDeFiが非常に盛り上がりました。RIFのDeFiエコシステムの概要と、その特徴について教えてください。」

デ「Money on Chain(MOC)やRIFなどのDeFiプラットフォームは、DeFiの巨大な可能性と、それがいかに金融をより包括的で簡単に利用できるようにしているかを表しています。ブロックチェーン産業およびコミュニティからの、こうしたビットコインへのDeFi採用に対する支持によってBinanceでのRIF/BTCとRIF/USDT上場も実現できました。

RSKは、MOCやRIF On Chain(ROC)などのDeFiプラットフォームの開発に重要な役割を果たしてきました。MOCは世界初のビットコイン担保ステーブルコインを開発し、ビットコイン保有者がBTCをステークすることで収益を得ることができるようにしました。ROCは、RIFを担保にした商品を取引するための迅速で安全なプラットフォームを提供するだけでなく、RIFトークン保有者が収益を得る機会を提供しています。RSKスワップは、ユーザーがERC20トークンを即時にスワップすることを可能にします。 さらに、ビットコインのレンディングとマージントレーディングのための分散型プロトコルであるSovrynが12月に開始されました。」

タ「2021年に予定している計画について教えてください」
デ「一つ目はインターオペラビリティ。RSKはこれまでに、ビットコインとの最も安全なレベルのインターオペラビリティを達成し、Ethereumへの最初の『トラストレス』ブリッジを構築してきましたが、今後は既存の金融システムとのインターオペラビリティも重要です。

二つ目はスケーラビリティです。昨年いわゆる「レイヤー2」ソリューションが設計され、Ethereumのメインチェーン外でトランザクション処理することで、アプリケーションのスケーリングを支援できるようになりました。例えばRSKは、RSKエコシステム内のウォレットを異なる金融サービスに相互接続するスケーリングプロトコルセットを開発し、それによりメインストリームレベルまでスケールアップする能力を持つ技術的基盤を提供してきました。2021年にはこれらのプロトコルがローンチされます。

三つ目はユーザビリティです。文字や数字の長い文字列の代わりとなるエイリアスも開発されており、ユーザーが相互に交流できるようになっています。さらに取引手数料もユーザーが保有する通貨で支払うことができるようになりました。」



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