米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、30日に開催された米下院金融サービス委員会で、暗号資産(仮想通貨)を全面的に禁止するつもりはないと述べた。
共和党下院議員のテッド・バッド氏の質問に答える形で、中国が行ったような仮想通貨に関連する全ての取引とマイニングを禁止するようなことは検討していないと明らかにした。ただ、ステーブルコインはマネーマーケットファンドや銀行預金と比較して、規制面での監視強化が必要だとも発言したようだ。
先月には、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長が、暗号資産のステーブルコインは「カジノチップ」のようであると語り、ステーブルコイン規制の必要性を強調した。また、米大手仮想通貨取引所コインベースは、SECの警告を受けてレンディングサービスの開始を断念し、上述のように中国でも仮想通貨規制が強化された。
仮想通貨に対する規制強化の動きが活発化する中で、今回のパウエル議長の発言は仮想通貨を全面的に禁止にはしない一方で、ステーブルコインの規制を示唆している。ステーブルコインは、取引と貸付の両方で広く利用されているが、既存の金融システムやマネーロンダリング対策(AML)、制裁等の抜け穴として使われる可能性があるとも指摘されていた。
ステーブルコインの規制強化が本格化するかは現時点では分からないが、仮にDeFiで多く使われているステーブルコインが規制されると、現状のDeFiアプリケーションに大きな影響が出てくる可能性がある。今後も、仮想通貨に関する規制についての動向には注目が集まるだろう。