家庭用ゲームソフト大手スクウェア・エニックスの松田洋祐代表取締役社長は1日、年頭所感を発表した。
年頭所感では、メタバースの話題からNFT(非代替性トークン)、ブロックチェーンゲームについて述べられた。中でも、今年以降の大きな戦略的テーマとして、「完成品としてのゲームを通じたゲームプレイヤーとゲーム提供者のワンウェイの関係である中央集権型ゲームに加えて、ポートフォリオに分散型ゲームを取り込んでゆくこと」が掲げられた。
また、トークンエコノミーの進展によりゲームが面白く成長する可能性が広がる、と述べた。明示的なインセンティブが提供されることで、自らの創作に対するアップサイドが可視化されることとなり、より多くの人々が創作活動に携わり没頭することで、ゲームが成長していくと考えているようだ。
さらに、ゲームを純粋に楽しみたい「Play To Have Fun」からゲームで遊びながら収益を得る「Play To Earn」、ゲームをより面白くするために貢献したい「Play To Contribute」まで、様々な動機をもったユーザーがゲームに関わり相互に関連付けられることを可能にするものがブロックチェーン技術に基盤を置くトークンである、と言及した。トークンエコノミーをゲームデザインとして成立させることで、自律的なゲームの成長を実現してゆく分散型ゲームが、今後のゲームの在り方の潮流の一つになっていくものと期待しているという。
同社は、事業環境の変化に対し、昨年5月に発表した中期事業戦略の中で、AI(人工知能)、クラウド、ブロックチェーンゲームを重点投資分野と定め、積極的な投資を行ってきた。今後も社会動向を注視し重点投資分野に注力するとともに、ゲームに関わる様々な動機を持った人々の声にしっかり耳を傾けながら、将来的な自社トークン発行も見据えて事業展開を本格化させていくという。メタバースやNFT、ブロックチェーンゲームの今後の動向に合わせて、同社の戦略にも引き続き注目が集まりそうだ。