11月16日(水)、仏事関連総合サービスの株式会社メモリアルアートの大野屋(以下、大野屋)が、東京都立川市の本社にてプレス向けセミナー「データから紐解く『弔い不足』」を実施した。
現代の日本では、高齢化や少子化などを背景に葬儀の小規模化・簡素化が進んでいる。葬儀を行なう側の負担は減るが、「親戚なのに葬儀の通知がなかった」「仲のよい友人なののに、亡くなったことを後から知った」といった問題も発生している。つまり、「弔い不足」と呼ぶべき事態が起きているのだ。弔い不足は近年使われるようになった言葉で、昨年にはNHKでも取り上げられた。
大野屋は、5年以内に親族または友人知人を亡くした経験がある人で、葬儀参列者300名・非参列者100名を対象に、弔い不足に関する実態調査を行なった。
調査の結果、「お別れの時間が足りなかった」「後から亡くなったことを知り参列できなかった」など、弔い不足と言える状態があることが明らかとなった。
葬儀に関する後悔や心残りの理由や具体的なエピソードについては、「家族葬だったが、せめて親戚だけは呼びたかった」「遠くに住んでいるため葬儀には参加せず、しばらく時間が経ってから行ったが、やっぱり最後にお顔を見たかったと思った」などの回答が寄せられた。
自分に合った形式の葬儀を選ぶことが重要
大野屋では弔い不足を「弔いの儀式を終えた後、故人の遺族や縁のあった人が後悔や心残りを感じること」と定義づけ、今後取り組むべき業界問題ととらえている。
弔い不足の原因としては、「1:弔いのスタイルが多様化し、多くの選択肢が増えたため、ミスマッチが起きている」「2:それぞれの弔いの形式について消費者の理解がまだ深まっていない」というものを挙げた。
これらを避けるためには、自分に合った弔いの形式を選択することが必要で、事前に情報を収集して葬儀について考えることが大切と解説した。
大野屋ではセミナーを行なった11月16日(水)から、同社のテレホンセンターで弔い不足に関する相談も開始するという。