2022年7月、静岡市用宗（もちむね）にオープンした「The Villa & Barrel Lounge」は、クラフトビール醸造所「West Coast Brewing（以下WCB）」直営の、“ブルワリーに泊まれる”をコンセプトとしたビアホテルです。
用宗港の近くにある築40年の元フランス料理店兼住居であった建物を、WCBの代表であり建築家のバストン・デレック氏が、全5室の小さなホテルとしてよみがえらせたもので、館内はWCBの世界観で統一されたセンスの良い空間となっています。
壁に大きく描かれているのは、ビールの原料であるホップの毬花に手足を生やしたWCBのオリジナルキャラクター「Hop Dude（ホップ・デュード／日本語なら”ホップ野郎”）」です。
客室は、定員2名のクイーンルーム3室と定員4名のロフトルーム2室。すべての客室にビアタップが設置されており、泊まった人しか味わえない、宿泊者専用の限定ビールを楽しめます。
今回宿泊した1階の客室は、スペイン語で「黄金郷」という意味を持つ「El Dorado（エル・ドラド）」です。壮大に描かれた壁画アートは、お部屋によってそれぞれ異なるとのこと。室内でもあちこちでHop Dudeを見つけられますよ。
ビアホテルならではの魅力は、設置された”客室タップ”から宿泊者限定ビールを好きなだけ飲めること。最大10Lまで飲み放題なので、心ゆくまで楽しめます。持参したグラウラーにビールを詰めて持ち帰ることも可能です。
どんな銘柄なのかは来てからのお楽しみですが、宿泊者しか飲めないビールばかりで特別感があります。この日はの銘柄は「Villa_Original_07(7.0% Black IPA)」でした。
飲み放題の客室タップのほか、1階のタップルーム＆バレルラウンジ（7:00～22:00）では、全16タップ・常時10液種前後のクラフトビールやフードを楽しめます。向かいの醸造所でできたばかりのフレッシュなクラフトビールを飲めるのは、“ブルワリーに泊まれる”ホテルならではでしょう。
個性豊かなビールのラインアップに迷ってしまったら、4種類を少量ずつ試せる飲み比べセットもおすすめです。
フードメニューは、朝はチキン＆ワッフル、昼は米・西海岸のローカルフード・フレンチディップサンド、夜はタコスなどのメキシカンフードをいただけます。この日は、静岡産しいたけと海老のオーブン焼き、クワトロチーズのケサディーヤなどを注文。どれもビールとの相性が抜群です。
フレンドリーなスタッフさんとの会話を楽しみながら、個性豊かなつくりたてのクラフトビールを飲めるので、ビール好きにはたまりません。色も香りも味わいもさまざまで、ビールの世界の奥深さ、おもしろさを知ることができます。
おいしさのあまり少々飲みすぎても、同じ建物に泊まれるので安心です。
翌朝も、同じタップルーム＆バレルラウンジで朝食をいただけます。
モーニングメニューは数種類から選べるチキン＆ワッフル。上写真は「The Sparkplug」（ワッフル、チキン、サルサ、ワカモレ、ハラペーニョ）のハーフサイズです。朝からビールを飲めるのもビアホテルならでは。
甘いものが好きなら、「Very Berry」（ワッフル、ミックスベリー、ベリーソース、ホイップ）がおすすめ。スタッフが丁寧に淹れるコーヒーといっしょに楽しめます。
ホテルに宿泊すると、向かいにある「用宗みなと温泉」の入浴券をもらえます。チェックイン日またはチェックアウト日に利用できるので、今回はチェックアウトしてから利用してみました。
用宗みなと温泉は、かつてマグロの加工場だった建物をリノベーションした日帰り天然温泉です。用宗の活性化を目指してオープンした施設で、WCBのビール醸造所もこの建物内にあります。
風情ある用宗漁港内の景色と潮風を楽しめる天然温泉露天風呂やテラスは開放感たっぷり。晴れて空気が澄んだ日には港越しに富士山も望め、静岡らしさを感じられることでしょう。
The Villa & Barrel Loungeは用宗駅から徒歩12分。用宗駅は新幹線が停車する静岡駅から2駅（約7分）です。用宗の街には細い路地や生活感あふれる道がたくさんあるので、風情ある港町の路地裏を探索しながらホテルに向かうのもよいでしょう。
全5室と客室数が少ないため、週末の予約はかなり先まで埋まっていますが、平日であれば予約も予約も取りやすそうです。ぜひビールに浸るホテルステイを堪能してみてください。
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名称 The Villa & Barrel Lounge
住所 静岡県静岡市駿河区用宗2-26-1
アクセス JR「用宗」駅から徒歩12分
駐車場 あり
公式サイト https://thevillamochimune.com/