7月10日(月)、東京都内にてNTTソノリティ株式会社がメディア向けに「“耳のイヤホン蒸れ”対策トークセミナー」を開催した。
NTTソノリティは音響関連事業を行なう企業で、2022年11月にはイヤホンの「パーソナルイヤースピーカー nwm MWE001」を、2023年4月にはイヤホンの「ワイヤレスパーソナルイヤースピーカー nwm MBE001」を発売している。
リモートワークやオンライン授業が当たり前となった現在、イヤホンを日常的に使うライフスタイルが定着した。その結果、イヤホンの長時間使用が原因で耳にトラブルを抱えてしまう人も増加しているのだ。
今回のセミナーは、こうしたトラブルを防いで、快適なイヤホン生活を送る方法をレクチャーするために開催された。
セミナー内では、NTTソノリティが行なった「長時間使用と“イヤホン蒸れ”の調査」の結果も紹介された。調査は2023年6月に実施された。対象となったのは、15歳以上の男女、計2165人だ。
調査の結果、「新型コロナ禍以降、約3人に1人はイヤホン使用時間が、長時間化している」「イヤホンの1日の平均使用時間は、1割以上が3時間を超えている」「約半数の人が、夏の“イヤホン蒸れ”を気にしている」といったことが分かった。
耳が蒸れると、細菌・真菌が増殖しやすくなる
セミナーには医療法人社団慶友 慶友銀座クリニックの院長の大場俊彦氏も登壇。耳鼻咽喉科の医師として、イヤホンの使用と耳のトラブルの関係について解説した。
大場氏によれば、コロナ禍以降、外耳トラブルが約3倍に増加。そのうちの約7割が外耳炎なのだという。
外耳炎が起きる原因の一つが、イヤホンによる耳の密閉だ。イヤホンを長時間着用することで、細菌・真菌が好む高温多湿の環境が耳の中に生じてしまうのだ。
高温多湿な日本の夏には、さらに細菌・真菌が増えやすくなるので、イヤホン蒸れの対策が必要となるだろう。
大場氏が勧めるイヤホン蒸れ対策は以下の通り。
・耳穴はなるべくふさがない。
・高温多湿、長時間使用を避ける。
・オープンイヤー型のイヤホンがおすすめ。
・イヤホンは清潔な状態を保つ。
・定期的にメーカー推奨方法でイヤホンを掃除する。
・イヤホンは自分専用のものを使う。他人から借りたイヤホンは使用しない。
イヤホンを清潔に保つための方法だが、NTTソノリティによると、アルコールや洗剤などは使用せず、綿棒または水で濡らして固く絞った布で優しく拭き取るとよいとのことだった。
また、イヤホンについてゴミを取ろうとして息を吹きかける人もいるが、イヤホン内のスピーカーが変形する危険性があるので、息を吹きかけてはいけないとのことだった。
耳蒸れ対策にバッチリなオープンイヤー型イヤホン
イヤホン蒸れ対策として推薦されたのはオープンイヤー型のイヤホンだが、NTTソノリティの「ワイヤレスパーソナルイヤースピーカー nwm MBE001」もオープンイヤー型である。
セミナー内で記者が実際にnwm MBE001を着用してみたところ、イヤホンからの音はクリアに聞こえるのにも関わらず、同時に外部からの音も聞くことができた。この特徴により、イヤホンを着用したままで会話などのコミュニケーションを取ることもできるし、着用して外を歩く際には周囲の音が聞こえるため、背後から近づいてくる自動車などにも反応できる。
こうしたメリットがあるだけでなく、外耳炎を引き起こすイヤホン蒸れの対策にも有効なので、今後イヤホンを選ぶ際にオープンイヤー型が有力な候補の一つになるのは間違いないと言えるだろう。