TOKIO・山口達也(46)の強制わいせつによる書類送検を受け、5月2日、山口を除く全メンバーが都内ホテルで記者会見を行い、謝罪した。その中で、今後の活動とともに懸念されたのが「福島県との絆」についてだった。会見で、城島茂(47)が「心のふるさと」と呼び、国分太一(43)が「公式に応援できなくなっても、メンバー個々人として応援し続けたい」と語った福島とのつながり。NEW’S VISION編集部ではすぐに福島へ飛び、前回、現地の温かい声をお届けした。

TOKIOとフクシマの絆は幻に?「福島県庁ポスター剥がし」の舞台裏を追う
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今回はさらに踏み込み、山口ほか、TOKIOの福島での歩みを辿りながら、彼らがかかわったとされる農家の心情を伝えたいーー。

TOKIOメンバーと福島・農業とのかかわりは、2000年6月にさかのぼる。「日本地図に”DASH”の文字を載せる」という目的で始まった企画が「DASH村」だった。広さ1万3000坪の土地をTOKIOの5人が地元の人々とふれ合い、協力してもらいながら、民家を再生し、様々な農作物を育てていく。アイドルとは思えないTOKIOのひたむきさと、昔ながらの農業や田舎暮らしの持つ素朴な魅力に日本中が共感した。

ところが、2011年3月の東日本大震災が悲劇を生んだ。DASH村があったのは、福島第一原子力発電所からわずか30km圏内にあった浪江町(津島地区)。放射線の年間累積線量が50ミリシーベルトをこえる「帰還困難区域」に指定され、同地域は立ち入り禁止となってしまう。普通の番組出演者なら、原発や放射能問題などのタブーを嫌い、企画自体がなかったことにしていただろう。ところが、TOKIOはこれ以降、より福島と深くかかわり始めることになった。

TOKIOは2012年からCMを通じ、風評被害に苦しむ福島から「東日本を、食べて応援」などとメッセージを発信し、安全性をPRしてきた。マスコミに報じられることはなかったが、この時TOKIOはネット上で「金のために放射能まみれの食品を宣伝して、日本人を殺す気か」などと大バッシングを受けている。それでも彼らは福島のために、日本中からの偏見の矢面に立ち、安全と美味しさをアピールしつづけたのである。のちに、同CMのギャラが無償であると報じられた頃には、TOKIOは名実共に農業県・福島の顔となっていた。

■「こっちでも嫁もらえ」農家からは意外に厳しい叱責も

この強い絆も、山口の一件で立ち消えになろうとしているのか。まずは同県二本松市で米作りを営むベテラン農家・日下部修次さん(68)に話を聞いた。

「なんでこのタイミングなのかって、バカが……。だってさ、官僚や政治家がセクハラで話題になってる時じゃない。それに他の犯罪と違って、悪質だよ。俺には娘や孫もいるから(福島に貢献してくれたTOKIOでも)けしからんと思ってしまう」

日下部さんは記者の言葉を遮り、開口一番、腹立たしげにつぶやいた。福島で地道な取材を重ねていたが、農家からここまで厳しい言葉が出るのは意外だった。だが、その言葉はどこか身内を叱るような厳しさだった。

「農業だって、アイツらは、あえて苦労の多くて大変な”昔の作り方”を選んでやってるんだ。そうやって頑張ってきた奴が何やってるんだ。やっぱり男なんだよ、ひとりで暮らしてると悶々することもある。こっちで嫁でももらえばどうだな」

農業関係者からは高齢者が多かったせいか、峻厳な言葉が多かった。

「全国の方々に申し訳ない気持ち。福島の農業への応援がなくなるのは残念ですが、福島県民として全国の方に許してやって下さいとは言えない」(60代男性)

「農業で福島と一緒にやってきたけど、有名人は有名人だね。でも、SMAPが仲間割れみたいな形だったから、TOKIOには続ける、続けないにかかわらず最後まで仲睦まじくやってほしいねえ」(70代女性)

「恥ずかしいことしたな、あんデコスケめ。けど、ウチの家は応接間にいつまでもポスター貼り続けんぞ」(70代男性)

最後の男性がこう言って見せてくれたのは、山口と国分が登場するこの「TOKIOは言うぞ! 福島の桃はうまい!」のポスターだった。

福島県では元々、後継者問題に悩む農家が多かった。そこに東日本大震災後による風評被害も重なって、さらに農業離れに拍車がかかったという。そんな中、息子ほども年の離れた山口をいとおしくも思っていた従事者も多いのだろう。不始末の息子を叱るような、口調は荒いが、決して見捨てない温かさに溢れていたように感じた。

では、さらに突っ込んで、福島県内でも、TOKIOとより深く交流してきたとされる人たちは今回の件をどう考えているのか。関係者からTOKIOらが米を作る通称「田んぼ」の場所を入手し、福島市A地区を訪ねてみた。

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