7月26日(金)、東京都内にてセミナー「『金利ある世界』をどう歩く?フリーランスのための最新資産形成術」が開かれた。主催は株式会社イージーゴーと会計バンク株式会社。

イージーゴーはライター業界の最新情報を扱う情報誌『ライターマガジン』を運営。会計バンクはフリーランス向けの会計アプリ「スマホ会計FinFin」「スマホインボイスFinFin」で知られている。フリーランスのためのサービスを展開する両社が、主にライターを対象としてフリーランスを応援するセミナーを実施したのだ。

今回のセミナーには講師として、日本FP協会認定CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士の森川敏彦氏が登壇した。

セミナーのタイトルにも使われている「金利ある世界」とは、日銀が25年にわたって続けてきたゼロ金利政策を止めたことを指している。

森川氏は「金利ある世界」では物価が上昇してお金の価値が下がるので、今までと同じ金額では同じものが手に入らず、同じ暮らしができなくなると指摘。

こうした時代を生き抜くためにも自分に合った資産形成が必要となるが、資産形成のためにはまずライフプランを立てなければならないと森川氏は語った。

ライフプランを立てることで、自分の資産のピークや資産寿命(自分の資産がなくなる年齢)が分かる。自分の現在地を知ることで、ゴールを定めることもできるようになるのだ。

資産形成のために行なうのが投資だが、投資にはリスクが付きもの。そのリスクを下げるのに有効と森川氏が語ったのが「長期投資」と「分散投資」だった。

森川氏が「日本一の投資家」として紹介したGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公開されたポートフォリオを見ると、GPIFもやはり基本に忠実な分散投資をしていることが分かるというのが、森川氏の持論だった。

そのほか、出ていくお金を抑えるためにも税金の優遇措置を最大限に生かすべきとも森川氏は語った。そのために活用できるのが新NISAや iDeCoであり、確定申告で税金をコンパクトにすることも重要だという。

確定申告に関しては、フリーランスを対象とした税務調査が増えていることにも言及された。森川氏は、対策としてまずは申告をちゃんとすることが重要だと強調。その上で、税務署は所得率をもとに調査対象を選んでいるので、ライターの平均の所得率の数値から著しくそれている人は調査の対象になりやすいので注意してほしいと森川氏は解説した。

今回のセミナーにはフリーランスのライターが多数参加し、最後の質疑応答でも様々な質問が寄せられていて、資産形成がフリーランスにとって関心の高いものであることが分かった。