FIFAワールドカップ・ロシア大会が、フランスの20年ぶり2回目の優勝で幕を閉じて三週間になる。波乱が多かったW杯で、初めて決勝に進出したクロアチアの〈魂のサッカー〉も記憶に残ったが、日本代表も予想を裏切りベスト16に進出した。7月2日にロストフ・ナ・ドヌーで行われた対ベルギー戦で惜しくも逆転負けを喫しベスト8進出を阻まれたが、この2年間、W杯予選を含めた22試合で負けなしだったベルギーを、日本代表はあと一歩のところまで追いつめた。

そんな日本代表には日本人のみならず世界中から賞讃の声が寄せられた。随所に質の高いプレーを見せてくれたからだ。その証拠に7月16日にFIFA(国際サッカー連盟)が発表した「W杯ロシア大会で評価が躍進した選手」5名の中に乾貴士が選出された。

ところが、そんな日本代表の活躍に水を差すような出来事が今年の春頃から立て続けに起きていた。正確に言えば、その動きはこの2、3年で顕著になっている現象の一つだ。スポーツのレベルで言えば、日本の活躍に水を差すことになるが、もっと不気味などす黒い意思を背後に湛(たた)えたものだった。

もし日本代表がベスト8以上に進出していたなら、日本への反発はより激しくなっていただろう。また、来年のラグビー・ワールドカップ、2年後の東京オリンピックにまで、その〈どす黒い意思〉が次々と及び、より大きな危険な動きになるだろう。

いったい、それは何だろうか?

結論から先に言えば、それは、日本人と日本的な的なものを圧殺する全体主義、反日ファシズムである。

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