創業以来最大規模の改修を経て10月1日に新たなスタートを切った八芳園(東京・白金台)。このグランドオープンに合わせて、本館3階に新たなレストラン「ALL DAY DINING FUDO(フウド)」が誕生した。
訪れたのはグランドオープン前に行われた試食会。まずはリニューアルで美しく生まれ変わった八芳園本館のメインロビーへ。
壁面いっぱいに広がる伝統工芸「大川組子」の壮大なるアートをゆっくりと堪能し、その先へ続く階段を上り「FUDO」へ向かう。
店内はシックで落ち着いた内装ながら、オープンキッチンなのでライブ感も楽しめるつくり。キッチンの中央には石窯があり、厳選食材をこの石窯で焼き上げる。看板メニューは石窯ピザだ。
試食でも石窯ピザが3種提供された。「信州ゆめクジラ農園 野菜のマルゲリータ」には贅沢なほどたっぷり野菜が使われており、もっちりと香ばしい生地との相性も抜群だ。「チーズ工房那須の森 クワトロフォルマッジ」と「山梨県洋梨のピッツァ」も上品な甘みのあるピザでクセになりそうなおいしさだった。
いくつか試食するなかで一番印象的だったのは同じく石窯を使った「窯焼き人参 ロメスコとアーモンドのソース」。
味は濃厚でほどよい甘みが感じられ、ゴボウのようなしっかりとした食感も相まってなんとも滋味深い。
もう一品興味深かったのが「食感を楽しむ宮城県産アカエイのムニエル」。
脂がしっかりとのっていてクセや臭みもなく、軟骨までまるごと食べられるので食感が楽しい。しかも低脂質、高タンパク、高コラーゲンで美容と健康にもよいとあっては、食べない手はないような気がするのだが、アカエイは通常、水揚げせずに廃棄される未利用魚なのだという。
そうした生産者側にも配慮し、光を当てているというのは「FUDO」のあり方がよく表れている部分だ。アカエイだけではなく、野菜は主に八芳園と連携協定を結ぶ自治体や産地を訪問して信頼できる生産者から仕入れているという。
そんなことがよくわかる話を料理長の小栗直也さんから聞くことができた。
『「FUDO」という店名は「風土」からきています。日本全国の風土や文化を料理や器などから感じてもらいたいという想いと、八芳園がこれまで続けてきた日本全国のよい食材をお客さまに届けるということをこれからも変わらず続けていこうという意志表明でもあります。生産者の方のもとを訪れ、その土地の風土や文化を知り、素材への理解を深めたうえで厳選した食材の味を引き立てるようなシンプルな調理を心がける。そして料理は料理人だけの手によって完成されるのではなく、生産者の方々とともにつくりあげているという意識で料理に向き合っています」
「FUDO」は「オールデイダイニング」を冠した店名のとおり朝食(土日祝限定)にはじまり、ランチ、カフェ、ディナーといつでも利用でき、そのメニューもバラエティに富んでいる。さまざまなシーンに合わせた使い方ができそうだ。
↑土日祝日限定でオープンするモーニングタイム。焼き魚御膳やカレーセットのほか、石窯で焼き上げるダッチベイビーセットなどが楽しめる。
↑ランチセットは3,200円からで、ピザやカレー、メキシカン牛カツレツなど5種類のメインから選べる。もちろんアラカルトメニューもあり。
↑カフェタイムには八芳園リニューアル前にあったスラッシュカフェでも好評だったアップルパイやパフェのほか、NEWoMan TAKANAWAでオープンし、連日行列を成しているパティスリー「八芳園洋菓子店」のケーキも。
↑ディナータイムはアラカルトメニューのほか、熊本あか牛のローストなどが楽しめるコースも用意されている。
八芳園の魅力はなんといっても約1万坪の日本庭園。四季折々の表情を見せてくれる庭園を散策し、日本の風土を感じるレストランへ。そんな楽しみ方もよさそうだ。
ALL DAY DINING FUDO
所在地:東京都港区白金台1-1-1 八芳園本館3階
営業時間:【月〜金曜】11:00〜21:00(L.O.20:00)【土日祝】8:00〜21:00(L.O.20:00)
定休日:年末年始、その他八芳園の営業日に準ずる