世界にその名をとどろかせる名門大学を擁する街として、あるいは映画「ハリー・ポッター」シリーズのロケ地として知られるオックスフォードは、ロンドンから列車で約一時間と近く、ロンドンからの日帰り旅行にぴったり。

重厚で落ち着いたたたずまいのオックスフォードの街並みは、大都会ロンドンとはまた違ったイギリスの表情を見せてくれます。

オックスフォードといえば、クライストチャーチやボドリアン図書館、トリニティカレッジなどが有名ですが、いわゆる観光スポット以外にも必見の場所があります。

それが、その歴史を1774年にさかのぼるというオックスフォード名物、「カバード・マーケット」。

屋根つきの常設店舗が連なるマーケットで、市場というよりはレトロな商店街のような雰囲気が漂います。

日本のガイドブックで紹介されることは少ないものの、狭すぎず、広すぎず、コンパクトにまとまった敷地内に50ほどのさまざまなジャンルの店舗が詰まったカバード・マーケットは、、見て歩くだけでも楽しい、イギリスの文化が身近に感じられるマーケットです。

ウィンドーショッピングを楽しむのはもちろんのこと、お土産探しやお茶、カジュアルな食事にもうってつけ。歴史的建造物が集中する街の中心部に位置しているので、手軽に観光プランに組み込むことができますよ。

マーケットの出入り口付近には、昔の人々の生活の様子を描いた壁画が飾られています。レトロなムードに、カバード・マーケットの歴史の長さを感じますね。

マーケットに一歩足を踏み入れれば、そこは昔なつかしいクラシカルな空間。色とりどりの店舗や看板が並び、中央には赤いポストが立つマーケットの風景は、なんともフォトジェニックです。

カバード・マーケットで出会えるお店は、青果店、花屋、肉屋、スイーツショップ、パイ専門店、カフェ・バー、レストラン、お茶専門店、雑貨店、衣料品店、写真店など多岐にわたります。

イギリスらしい上品でクラシカルなディスプレイが光る、レザーグッズやジュエリーを扱うお店「Nothing」。

そのすぐそばには、ポップな色使いが目を引く、衣料品店「Next to Nothing」が。

「Nothing」のレザーグッズ売場の向かいには、自家製ジェラードが自慢の「iScream」。ここはチョコレートの取り扱いも充実していて、シャボネル・エ・ウォーカーをはじめとする王室御用達チョコレートも手に入れることができます。

雑貨好きの女性には、キュートな雑貨が豊富に揃うセレクトショップ「ANSARI」がおすすめ。イギリスならではの洗練されたおしゃれな雑貨がいっぱいです。

マーケットの中央付近には、青果店や花屋、肉屋などが並んでいて、地元の人々が日々の生活のための買い物をしている風景が見られます。

ただ野菜を並べているだけなのに、なんだかおしゃれにみえる青果店。

肉の大きな塊や豚足などが店先にディスプレイされている肉屋。日本ではなかなか見ない、ちょっとワイルドな光景に文化の違いを感じます。

テイクアウトやイートインができるグルメスポットが充実しているのも、このカバード・マーケットの魅力。

地元の人々に高い人気を誇るお店が「David John Pies」。オクスフォード最大のパイメーカーで、イギリス名物のさまざまなパイが揃っています。ボリュームたっぷりで値段も手頃。

血まみれの脚に一瞬ぎょっとしてしまったわけは、「The Cake Shop」のショーウィンドー。季節は秋ということで、ハロウィン向けのオリジナルケーキが並んでいたのです。

このお店ではさまざまなデコレーションケーキの制作過程が見られる実演を行っていて、個性あふれるケーキの数々に足を止める人が後を絶ちません。ミニサイズのマジパンやチョコレート、パウンドケーキなど、お土産として持って帰れる商品も販売しています。

お腹が空いてきたところで立ち寄ったのが、カジュアルなタイレストラン「Sasi Thai」。イートインスペースがあるこのお店では、リーズナブルな価格で座って食事ができるとあって、お昼どきともなれば大盛況。

タイの焼きそばパッタイは、このボリュームで5.9ポンド。物価の高いイギリスでは驚くほどのお手頃価格です。もちろん、味も本格的でおいしくいただきました。

オックスフォードといえば、ベンズクッキー(Ben’s Cookies)を忘れてはなりません。2016年に日本にも進出を果たし、いまや国際的なクッキー専門店となっているベンズクッキーですが、1984年にオープンした一号店がここなのです。


「世界一のクッキー」との呼び声も高いそのお味を、ぜひ本場で確かめてみてはいかがでしょうか。

楽しい、可愛い、おいしいがたっぷり詰まったカバード・マーケットは、いわばオックスフォードのおもちゃ箱。オクスフォードを訪れるなら立ち寄らない手はありません。

Post: GoTrip! http://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア

「オックスフォード・カバード・マーケット(OXFORD COVERED MARKET)」
http://oxford-coveredmarket.co.uk/