「大韓航空」のオーナー一家によるパワハラ騒動で揺れる韓国で、「ナッツ姫」と「水かけ姫」の姉妹に加え、兄や母親まで暴言や暴行事件を起こしていたことが発覚。さらには、この一族が航空会社を経営している立場を利用して海外から“密輸”をしていた疑惑を24日放送の『バイキング』(フジテレビ系)が取り上げた。

そもそもこの問題は、先月、水かけ姫こと「大韓航空」のチョ・ヒョンミン元専務が、会議に同席した相手に暴言を浴びせ、手元にあったコップの水をかけたことをネット上の匿名掲示板で関係者が告発。それを受け、「私もパワハラを受けた」という被害報告が殺到、実際に、大声で同社の社員に怒鳴っている音声データも公開され、韓国中で非難の声が沸き起こった。また、その水かけ姫の姉が、“ナッツ・リターン事件”を引き起こしたナッツ姫ことチョ・ヒョナ氏だったことも今回の騒動に火を付けた格好だ。

番組では、「父激怒! “水かけ姫”“ナッツ姫”は解任へ 母は放送禁止用語を連発!? 一族の驚きの実態」と題し、一連の騒動を特集。ナッツ姫、水かけ姫の騒動を振り返りながら、新たな事実として、彼女たちの母親のイ・ミョンヒ氏が自宅に来たリフォーム業者に「まとめて全員にクビにしてやる!」「あの××野郎!」と罵詈雑言や放送禁止用語を連発し、作業員のひざを蹴り飛ばす事件を起こしていたことが明らかにされた。また、これとは別に、母親のミョンヒ氏が大韓航空の系列のホテルの工事現場で、工事関係者に暴力を振るっている動画も、昨日からネット上で出回っているという。

そして、彼女たちの兄で大韓航空の社長を務めるチョ・ウォンテ氏もパワハラ疑惑が報じられてる上、過去には、運転中にトラブルになった70代女性へ暴行を働いていたり、交通違反を取り締まろうとしている警察官をはねたりするなどのトラブルがあったことが分かった、

番組MCの坂上忍は、この傍若無人な大韓航空一族の振る舞いに「韓国って教育は厳しいんじゃないの?」と、番組ゲストの韓国人タレント・ヒョンギ氏に質問すると「厳しいですよ。目上の人には礼儀を正しくやらないという儒教の国です。お母さんがバーってああいうふうにやるから、(水かけ姫やナッツ姫も)そういうふうに育てられた」と、親の教育にも問題があると苦言を呈した。

また、番組では、水かけ姫の暴行騒動をきっかけに、大韓航空のオーナー一家に新たな疑惑が浮上してきているとして、家族ぐるみでの「密輸」疑惑を取り上げた。関係者によると、この一家が海外旅行の際、購入した大量の海外ブランド品を税関を通さずに持ち込んで、数千万ウォン相当の高級品の関税の支払いを逃れているという疑いや、飛行機の中に冷蔵庫を持ち込んで日本から持ってきた寿司を、空港内の検疫を通さず韓国内に入国していたとするなど、密輸をしているという内部告発が集まり始めたという。これを受けて、韓国の警察や税関当局も、捜査を開始。水かけ姫の自宅や会社の家宅捜索にも動くなど、騒ぎはより一層の広がりをみせている。

坂上は、この密輸疑惑について「もう犯罪一家になっちゃった」と言うと、弁護士で元裁判官の清原博氏は「(密輸が事実なら)韓国の関税法違反、密輸入罪ということで最高で懲役5年なんですけど、この関税法違反は深刻で、税関職員も絡んでいるかもしれない。韓国財閥は多いんですけど、警察とか政府の職員を買収してしまう」「今回も、捜査の結果、もしかしたら税関職員が関わっていることになったら、もっと大きな問題になると思う」と、騒動の拡大を懸念するコメントをした。

なお、水かけ姫騒動を発端とした今回の事件は、ヒョンギ氏によると、「南北の会談よりも、この話題が勝っている」と、韓国民の関心が非常に高いとのことをうかがわせた。一方で、一向に収まらない韓国世論の過熱ぶりに、ついに一家の父である大韓航空会長のチョ・ヤンホ氏は、22日「娘の未熟な行動に嘆かわしい思いです」と全面謝罪。水かけ姫とナッツ姫の全ての役職の解任を表明した。