東京都の小池百合子知事(65)は2月17日、豊洲市場への移転が決まっている築地市場を視察し、業界団体代表者と意見交換している。業界側の説明によれば、小池都知事は築地の跡地に関し「(都として)築地に市場を作る考えはない」と明言していたという。

まさに「しれっと」、一体、どの口が言っているのか。小池都知事の悪びれもしない姿勢に「この長い延期騒動は何だったのか」と、築地関係者や都民の怒りはすでに爆発寸前だ。

思い返せば、16年8月に築地市場の移転の延期を表明してから、「豊洲は安全だが、安心ではない」などという論拠で、移転は棚上げ状態が続いた。そして、17年3月20日には老体の石原元知事を百条委員会に証人喚問で吊るし上げたあげく、なんの成果もあがらず。また、17年6月20日には都庁で緊急会見を開き、「築地は守る、豊洲は生かす」と謎の声明を出して、「5年をめどに築地を再整備し、市場機能を戻す」などと、築地の市場関係者に含みを持たせていた。だが、結局フタを開けてみれば、しれっと「築地に市場を作る考えはない」の発言である。

これには都民ならずとも、小池パフォーマンスに踊らされたという疑念を持たざるを得ない。築地で魚河岸を営む生田よしかつ氏(55)はTwitterで「なんだコレ?良く平気で言えるな!単に築地市場が大好きな人々の悪気ない純粋な気持ちまでももてあそびやがった 絶対に許されないッ」「2つの市場なんて不可能なのは解ってた。選挙対策以外の何物でもない」と怒りをあらわにした。

他にもSNS上では「端から不可能であると分かっていることを検討するフリをして、とりあえずの棚上げにして、目先の支持を集めただけ」「都民に一度も謝罪すらないのはおかしくないか?」「都民ファーストどころか、政局ファーストだった」「それさぁ、早くいってよぉ~ by松重豊」など厳しい批判が飛び交った。

小池都政による損出を毎日算出するある調べによれば、市場移転延期による損害額317億6600万円。)。1日あたりの損害「6575万」x 延期した期間「468日」+ 調査費+風評被害払拭事業+築地解体増額「9.95億」という試算が出ている。環状2号整備の遅れによる、東京五輪関連の損害も考えれば額はさらに甚大となるだろう。小池マジックから覚めた東京都民は、いまトンデモないツケを払わされようとしている。

Tokyo Governor Yuriko Koike eats a red sea bream sashimi during a workshop at the new Tokyo Metropolitan Central Wholesale Market, known as Toyosu market, in Tokyo, Japan February 13, 2018. REUTERS/Toru Hanai (Japan)