元横綱・朝青龍(37)が2月22日、小学生向けの月刊マンガ雑誌『コロコロコミック』(小学館)に対して「先祖を侮辱された! 謝れ!」とTwitterで激怒し、外交ルートを通じて謝罪を求める動きを見せていることから、物議をかもしている。

朝青龍が問題にしたのは18年3月号の『コロコロ』に掲載された「やりすぎ!!! イタズラくん」(吉野あすみ)での1コマ。同マンガは小学館のサイトに「24時間イタズラのことを考え、相手が先生だろうとお構いなしで爆笑イタズラを仕掛けまくるぶっとび男子、それが『イタズラくん』!」と説明がある。この回では、主人公が「モンゴル国の皇帝 チ(  )・(  )ン」という穴埋め問題に答える展開で、「チャーハン」や「チャーシューメン」「チバケン(千葉県)」などと思い浮かべた後、「チ(ン)・(チ)ン」と回答。さらに、チンギス・ハンの肖像画の額に男性器を落書きしたのだった。

朝青龍はTwitter上に同マンガの画像を引用して「なー言いとけどなー!! 先祖バカにするお前ら!! 品格がない日本人!! 許せない!! 謝れ!! 謝れ!! 謝れ!! どこのゴミの会社!?」と激怒。さらに「よっぼど中国人がましや!! あれ得ない!! 悲し涙!! 大好きな日本人がこんな風に!!」「我が国東アジアで一番の平和である国!! 日本国まりに日本と平和国ありますか? てきばっかりの国々!! なぜこんな事おかした?」と猛烈な連ツイートをくり広げた。そして、日本人へのメッセージだけでなく、モンゴル語で「外交ルートを通じて謝罪するよう求める」という意味のつぶやきをしたのだという。

これにはSNS上でも賛否両論の声が噴出した。「これは悪質すぎる。日本の恥だ。書いた漫画家と載せた編集者に責任があるだろ」「国家の英雄に落書きとか、イスラムだったら暗殺されるレベルやぞ」「天皇陛下の写真に同じ事されたら日本人がどう思うかですよね」と、まさに「やりすぎ」のイタズラ表現を諌める声も多かった。

だが、朝青龍の怒りも納得した上で「なんでこんな子供向け漫画の一ページをとって日本人全体・中国人全体の国民性の話に昇華するような物言いをするんですかね?」「怒るのはもっともだが、外交ルート使って圧力かけるやり方が嫌い」と、抗議の仕方や日本に対する攻撃的な言葉遣いを問題視する声も多く上がっていた。

朝青龍といえば、現役時代の03年5月7日発売の『週刊新潮』(新潮社)に「取材に来たスポーツ紙の韓国人記者に対して、『このクソ外人!』『キムチ野郎!』と国際問題になりかねない言葉で面罵した」と報じられて、世論を騒がせた舌禍もあった。いずれにせよ、愛国する者なればこそ、他国の誇りにも敬意を払った表現を心がけたいものである。