「UFOの襲来に対し、政府はどう対応するのか」。立憲民主党・逢坂誠二衆院議員(58)が質問主意書でこんな珍質問を提出していたことが判明して話題となっている。
逢坂氏が問題にしたのは、未確認飛行物体(UFO)が襲来した際に、政府はそれを「武力攻撃事態」や「存立危機事態」と認定して、自衛権を発動するのかどうか。これに対し、政府は2月27日「地球外から飛来してきたと思われる未確認飛行物体の存在を確認したことはない」とする答弁書を閣議決定し、それゆえ「そうした飛行物体が日本に飛来した場合の対応についても、特段の検討はしていない」との回答を見せた。
菅義偉官房長官(69)も2月27日午後の会見で同質問を改めて尋ねたフジテレビ記者に「想定外を想定した結果、そういう答弁書になった」と苦笑い。「長官はUFOの存在を信じますか?」という質問に対しては、首をかしげ「政府の立場の会見ですから答えは控えます」と答えるにとどまった。
それでも逢坂氏は同件についてワイドショーの取材に「宇宙人やUFOの存在はゼロとは言い切れない。安全保障を考える上で、想定外を想定することがきわめて大事!」と得意げに答えていたのだった。
北朝鮮によるミサイルや、中国の尖閣諸島周辺での動向が喫緊に気になる中、まったく何を質問しているのか。これにはソーシャルメディア上でも「モリ・カケ・スパの次はUFOかよ」「いまそれ国会で言う必要ある?」「もう鳩山(元首相)にでも相談しとけよ」など、のん気な野党の安全保障観に呆れかえる声が飛び交った。
だが、じつは国会で「UFO」を問題にしたのは立憲民主党だけではない。07年12月にも同様の質問主意書が出されたが、自民党・町村信孝官房長官(当時)が定例会見で「未確認飛行物体(UFO)は絶対に存在する」などと力説して話題になったことも。ただ、こちらの方は「(政府としては紋切り型の答弁しかできないが)個人的には」とした上でのシャレだったので、国会審議になんの迷惑もかけていなかったことを付け加えておく。
ともあれ、「想定外を想定する」という立派な危機管理の発想をお持ちの逢坂議員には、ぜひとも北朝鮮や中国が起こしうる不測の事態を議論してもらいたいものだ。