こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

2018年 8月28日、中国の南京市にて南京第16回人民代表常務委員会が開幕しました。会議では「南京市国家公祭保証条例」の草案が発表されました。

「南京公祭」とは何か。2014年に習近平政権が制定した国民の休日「南京大虐殺記念日」(毎年12月13日)の日に、全国規模で行われる「旧日本軍に大虐殺された30万人の中国人死者」を追悼するイベントです。つまり、年に一度の反日感情を蒸し返す恒例行事です。旧日本軍に殺された南京市民など一人もいないのに(※編集部注:孫向文氏の歴史解釈です)、毎年にもこの茶番劇を繰り返しているのです。

草案に関する中国語の報道。

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1610035001136843987&wfr=spider&for=pc

「南京市国家公祭保証条例」の草案は総計30条例。中でもビックリした条例を紹介します。

第28条:あらゆる組織と個人が南京大虐殺の歴史事実を否定するデマを作り、遺族、中国軍の戦没者を侮辱することを禁じる。

第29条:国家公祭の場所で旧日本軍軍服の着用、日本刀などの道具や日本軍国主義の図形を使用して写真、動画を撮影すること、それをネット上に投稿することを禁じる。

第30条:あらゆる組織と個人が南京大虐殺の死者、遺族の名前、肖像、名誉、栄誉を侵害することを禁じる。

上記の行為を犯した人間は社会秩序を乱した罪(刑事)、他人侮辱罪(民事)とみなされ、刑事犯罪と民事訴訟の両方の対象となります。さらに中国政府司法機関は、遺族に訴訟するための無償サービスを提供するのです。

上記の条例は、該当対象の国籍を言及してません。つまり広い範囲の「国籍問わず」という意味です。そうすると「日本人を含むすべての人を対象に、中国国内で南京大虐殺を否定する行為、旭日旗、日本刀などの図形のグッズを展示、持ち運び、ネット投稿すると刑事犯罪と民事責任に問われます」と言い換えられるのです。

もはや南京事件について議論することすら禁止する法案と言えるでしょう。中国国民は、ますます真実を知る機会が奪われます。そして、日本人は中国滞在期間に南京事件を否定するなどの行為をすると監禁されるリスクが出てきたことになります。

■命がけで真実の歴史を広める勇者、”精日”とは?

実は、恥ずかしいながら、僕は2014年までに、南京大虐殺を「真実」として信じていました。2014年以降に来日して、靖国神社の遊就館や水間憲政さんの著書、日本人のインターネット投稿など、多方面の開放的な情報を集め、ようやく南京大虐殺は嘘であることに確信が持てたのです。(これは感情的に判断せず、客観的な判断です)

以前の僕は、70年前の事件など実在しようがしまいが、どうでもいいと思ってる無関心派でした。中国人の大多数、この状況だと思います。というのも、中国社会の世論環境では普通の市民が議論できる雰囲気ではないのです。南京事件を否定すると即「売国奴」認定され、親戚や友人、同僚から変人に扱いされ、いわゆる「社会的に死亡」となります。もし、台湾のような自由に議論できる環境が整えたら、多くの中国人はすぐに真相を究明できると思います。

その言いづらい環境を打開するのはインターネットです。日本人には意外かもしれませんが、中国の掲示板やSNSで南京大虐殺の証拠写真を捏造だとして投稿する書き込みも少なくありません。それは親日派か、「精日」(精神日本人の略)のおかげです。

精神日本人については、以下の報道を参考してください。

中国ではネット投稿にIPが特定されるため、政府は投稿者を逮捕したい場合は簡単です。つまり投稿者は命をかけて、真実の歴史をもっとたくさんの中国人に知らせる「勇者」です。しかし、今回のような悪法ができたら、ネットという唯一の抜け道まで中国共産党に塞がれることになります。もちろん、ネット以外、リアルの生活に友人の間に南京事件を否定して語ったら、今までの口頭注意されることだけじゃなくて、公安に告げ口され逮捕され、罰金、監禁など「犯罪者」にされます。

■日本政府が反撃する手段は? 米国に習い、法律で対抗すべし

中国政府の歴史戦、世論戦は日々世界中に拡大し、激しさを増しています。そんな中、なぜ日本政府は何も対抗せず、見ているのでしょうか。僕には看過できません。日本表現の自由を逆手に取り、”言ったもん勝ち”とばかりにプロパガンダしている中国人たちを取り締まる法律が必要なのではないでしょうか。

今年7月28日、米国の司法委員会が全会一致で「チベット入国相互法案」を可決しました。これまで、中国人が自由にアメリカを訪問してるのに、アメリカ人はチベットに入国することが制限されていました。アメリカの政治家やマスコミ、一般国民がチベットの真実を知る方法を遮断する、中国政府の専制的横暴です。それに対する報復措置として、アメリカもチベットへの入国を解禁しないなら、中国人のアメリカ入国を制限するとしたのです。つまり、アメリカ政府は目には目をの法的対抗策を取ったのです。

日本政府が中国の横暴に対抗する手段は一つ、アメリカを見習って「南京事件に関する表現の自由の相互法案」を提出することです。たとえば、「南京大虐殺30万人」が真実であるかのような言説を宣伝する中国人対象に、ビザの期間更新を保留するのです。

暴論のように聞こえますが、じつは1978年に「マクリーン事件」でも、ベトナム戦争に反対する政治活動をした外国人が在留期間の更新を拒否されています。最高裁判例では「外国人の政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等が保障されていない」との見解が示されています。つまり、法務大臣は外国人の在留資格更新の許可を判断する際に、在留中の政治活動を理由に拒否しても構わないのです。

トランプ大統領に習い、”目には目を”で日本は歴史戦に挑むべきだと思います。