スウェーデンの首都ストックホルムから鉄道で3時間ほどの距離にある第二都市のヨーテボリ(Göteborg)は、湾岸都市として発展した歴史を持つ街。
17世紀に「北方の獅子」と呼ばれたグスタフ・アドルフ二世が、スウェーデン唯一の外海へと出られる港であったヨーテボリに町を築き、現在も世界各国からの貨物船や旅客船が立ち寄る港町として賑わっています。
9月後半から10月上旬頃の北欧では紅葉が見られ、気温も一気に下がります。この時期の週末には今年最後のピクニックを楽しむ人が公園に集まっています。
そんな北欧の自然環境ですが、ヨーテボリの中心地には「真冬でも南国気分が味わえる公園」があるんですよ。
それでは、ヨーテボリの園芸協会公園を訪ねてみましょう!
ヨーテボリ中央駅のすぐ近くにある園芸協会公園(Trädgårdsföreningen)は、ヨーロッパの中で最も保存状態の良い19世紀の公園の一つです。
公園内には数千本のバラが見られるローズガーデンと熱帯植物が見られるパームハウスがあります。
特に1878年にスコットランドから取り寄せたイギリス式の温室であるパームハウスは、膨大な費用を注ぎ込みました。
当時は”Nya vinterträdgården(新しい冬の庭園)”をキャッチフレーズとして宣伝し、高めの入場料を設定していたものの、多くの人々が訪れる人気スポットとなりました。現在は無料で入場することができます。
冬には日照時間が短く極寒となるスウェーデンでは、春を心待ちにしながら長い冬を過ごします。当時の人のパームハウスへの憧れは今と比べものにならない程、強かったのでしょう。
1851年のロンドン万博の為に建設されたクリスタルパレス(水晶宮)をモデルとしており、ヴィクトリア朝の時代の華やかなガラス建築に圧倒されます。
ロンドン万博のクリスタルパレスを始め、のちに作られたニューヨーク万博のクリスタルパレス、シドニー万博のガーデンパレスも火災で焼失しており、この時代のもので現存するヨーテボリのパームハウスは大変貴重なものです。
パームハウスには世界各国から集められた植物が栽培されています。これだけ多くの種類の植物が集められたのは、かつて新種の植物を求めて船で世界中を旅したプラントハンターたちの活躍によるもの。
パームハウスの内部はいくつかの部屋に分かれており、植物の種類や育つ気候によって異なる温度や湿度に設定されています。
メインの建物であるヤシ館、亜熱帯の地域の植物があるトロピカルハウス、最も温かく湿度が高いウォーターハウス、地中海やカナリア諸島の植物のある地中海ハウス、約40種類の椿のあるカメリアハウスなどに分かれています。
現在のパームハウスは1978年に改築された物ですが、当初の建築と出来るだけ同じ素材を利用していたり、19世紀の頃と同じ植物を育てるなどオリジナルと近い状態おを保つ努力がされています。
パームハウス内にはテーブルやベンチがあり、地元の人が新聞を読んだり書き物をしたりと思い思いの時間を過ごしています。パームハウスが建てられた当初の「新しい冬の庭園」というモチーフが人々に浸透しているんですね。
スウェーデン旅行の際には、真冬でも南国気分が味わえる園芸協会公園を訪ねてみませんか?
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名前 園芸協会公園(Trädgårdsföreningen)
住所 Slussgatan 1, 411 06 Göteborg, Sweden
アクセス ヨーテボリ中央駅から徒歩3分
営業時間 パームハウス夏季10-20時、冬期10-16時
定休日 無休
公式サイト http://www.tradgardsforeningen.se/
料金 無料