スペインやイギリス、ドイツなど欧州からのバカンス先として人気を誇るテネリフェ島。リゾート地として発達しているのは南部の地域ですが、その他のエリアでも魅力的な町が点在しています。
今回紹介するのは、そんな魅力あふれる町のひとつイグエステ・デ・サン・アンドレス。住民が550人ほどという小さな町は、観光地の喧騒を忘れてのんびりと休暇を楽しみたい人にはうってつけの滞在先です。
イグエステ・デ・サン・アンドレスが位置するのは、テネリフェ島の北端にあたる場所。カナリア諸島自治州の州都であるサンタ・クルスから「島で最も美しい」と言われている海岸「プラヤ・デ・ラス・テレシタス」を経て、海岸沿いの道を北上していきます。
町へ向かう道は1940年頃から整備されたもの。道が開通するまでは船が唯一の交通手段だったといいます。
崖の上を走る曲がりくねった道を車で走ること10分ほどで、イグエステ・デ・サン・アンドレスに到着です。
崖にへばりつくように白い壁の家が建つ様子は、イタリアの景勝地「チンクエ・テッレ」のミニサイズとでもいいましょうか。
家々の間を埋めるようにアボカドやマンゴー、バナナやサボテンが生えていて、南国情緒もたっぷりです。
観光客であふれる南部の町とくらべ、人が少ないのもこの町の良いところ。のんびりと通りを散策すれば、色鮮やかなブーゲンビリアやハイビスカスが町の至るところで彩を添えています。
町からは海岸が徒歩圏内であるほか、周辺のハイキングも楽しめます。数あるハイキングコースの中でも特に美しい景色が楽しめるのが、町から岬の上にあるかつての見張り台「Semáforo de Igueste」まで行くコース。往復約3時間のコースでは、見張り台のある地点まで海岸沿いをひたすら上へ上へとのぼっていきます。
所々からみえる海岸線は、息を呑むほどの美しさ。強い日差しが照りつけるなかを上るのはかなり体力を消耗しますが、そんな疲れも吹き飛ばしてしまうほどの美しい光景が次々と現れます。
はるか向こうに見えるのはサンタ・クルス。海岸沿いの崖のうえを通るくねくね道は、サンタ・クルスからイグエステ・デ・サン・アンドレスまで続く唯一の道路です。
木々が茂って緑あふれる町とは対照的に、上にあるのはサボテンばかり。少し登っただけでも周囲の景色ががらりと変わってしまうところからも、この島がもつ自然環境の多様さを思い知らされます。
コース上では足場の悪い場所もあるので、足を滑らないよう細心の注意を払いましょう。また一部を除いて日差しを遮るものはほぼないので、帽子や日焼け止めなどでの対策も忘れずに。
荒々しくも美しい海岸線が楽しめる、イグエステ・デ・サン・アンドレスからのハイキング。超穴場ともいえる絶景スポットで、テネリフェ島の大自然を感じ取ってみてください。
Post: GoTrip! https://gotrip.jp/ 旅に行きたくなるメディア