ハンバーガーや牛丼などのファストフードとして多くの人々から愛されているジャンルの1つと言えば、立ち食い蕎麦。

ひとくちに立ち食い蕎麦といっても、様々なお店が存在している。

例えば、ボリュームたっぷりの蕎麦と濃厚で甘辛なつけ汁がたまらない東京都港区西新橋「そば処港屋」に、あのタモリさんも絶賛する最高の立ち食い蕎麦屋として有名な日本橋「そばよし」名物のゲソ天がたまらない!安くてウマイ天ぷらが自慢「一由そば」蕎麦屋なのにインドカレーで絶賛されているお店「よもだそば」、さらには日本で最も狭いお店と言われる長野県塩尻市の「そば処 桔梗(ききょう)」など、美味しくて特徴のあるお店を数え上げればキリが無い。

そんな日本各地に存在している美味しい立ち食い蕎麦屋の中から、今回は、ボリューム満点の立ち食い蕎麦を味わえる名店をご紹介したい。

それが今回ご紹介するお店、千葉県我孫子市の駅そば「弥生軒」だ。

・あの山下清画伯も働いていた我孫子の名店「弥生軒」
こちらのお店、1928年(昭和3年)に駅弁販売を行うことで創業した歴史あるお店。

1928年(昭和3年)といえば、日本でラジオ体操が始まり、浜松高等工業学校教授であった高柳健次郎が世界で初めてブラウン管を用いたテレビ実験に成功、25歳以上の男子に選挙権が与えられた初の選挙が開催されるなど、日本の現在に続く新しい時代を予感させる種が生まれていった時代となった年。

そんな時代に我孫子で生まれた駅弁販売のお店は、我孫子駅を使うユーザーの方々のニーズによって、現在では駅そばを中心に美味しいファーストフードを提供し続けている。

そんな老舗では「裸の大将」で有名な山下清画伯も住み込みで働いていたというから、その歴史の長さを改めて確認することができる。


・もはや我孫子名物となった「弥生軒」の唐揚げ蕎麦
そんな歴史ある千葉県我孫子駅の立ち食いそば「弥生軒」のシグネチャーメニューといえば、唐揚げ蕎麦。

こぶし大はあろうかと思われる特製唐揚げを乗せた駅そばは絶品のメニューだ。

蕎麦ツユも自家製、麺も自家製、そして唐揚げも近くの工場で一つ一つ丁寧に揚げられているこちらの特製唐揚げ蕎麦を味わえば、日本各地に存在している立ち食いの駅そばの中でも「弥生軒」が特別であることを理解できる。

巨大な唐揚げはサクサク感が残っており、そのまま味わっても非常に美味であり、食べ応えも十分。

そこに自家製のそばつゆがゆっくりと染みていき、少し衣が柔らかくなっていくその過程を味わえるのも非常に嬉しいポイントだ。

アツアツの駅そばと巨大な唐揚げを交互に味わいながら、蕎麦をすする、まさにこの行為こそ、「弥生軒」と我孫子の歴史をも味わうことである、といっても過言ではない。


もし時間があるのであれば、いつもはアクセスしないような場所に向かって、電車に乗ってみる、という旅に出かけてみてはいかがだろうか?

そして、我孫子という場所で、かつての日本の香りを感じられる老舗の駅そばを味わう。

そんな一つ前の時代にタイムスリップできるような旅を楽しんだのなら、遠い昔に感じた自分自身の夏休みの思い出も感じられる、そんな味わい深い旅になるに違いないのだ。

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お店 弥生軒 (やよいけん)
住所 千葉県我孫子市本町2-4-3 JR我孫子駅
営業時間 月曜日~金曜日 7:00~23:00 土曜日 7:00~22:30 日曜日・祝日 7:30~21:30
定休日 なし