寝不足による仕事のパフォーマンス低下は、だれしも経験があるだろう。そんなとき、眠気を我慢して仕事を続けるより、短時間の仮眠をとった方が効率的に業務を遂行できることは広く知られている。しかし、多くの日本企業では、休憩時間でさえ仮眠をとることがはばかられる雰囲気があり、業務中の仮眠などもってのほかだと思われている。
そんな状況に一石を投じ、良質な仮眠を採り入れることでオフィスを元気にすることを目指す「ネスカフェ 睡眠カフェ×ゼロジム 出張眠らせ隊」が、この8月27日から東京・大井町で活動を開始した。
「出張眠らせ隊」は、NPO法人まちづくり大井(まちづくり大井)、ネスレ日本株式会社(ネスレ日本)、および株式会社ビジネスライフ(ビジネスライフ)の3者の協働により運営されている。
もともと大井町では、まちづくり大井とネスレ日本の協働によりコーヒーを活用したまちづくりの取り組み「コーヒーウエルネスプロジェクト」が2019年3月から実施されており、その一環として「ネスカフェ 睡眠カフェ」が運営されている。そのカフェでも実践されてきたコーヒーナップ(睡眠前にカフェインを含むコーヒーを飲み、目覚めたあとのパフォーマンスを上げる方法)と、疲労回復専用ジム「ZEROGYM」を運営するビジネスライフが考案した昼寝の質を高める運動とを組み合わせたプログラムを企業に出張提供することが、「ネスカフェ 睡眠カフェ×ゼロジム 出張眠らせ隊」の活動内容だ。
活動初日となる8月27日、大井町の東京ディフェンス株式会社(東京都品川区大井4-4-2)の執務室で、同社社員を対象に実施された「出張眠らせ隊」のプログラムが公開された。
プログラムのスタートは午後1時30分。ちょうど昼食後の睡魔が襲ってくる時間だ。大テーブルを囲んだ8名の社員は、まず、カフェインを含むネスカフェコーヒーを楽しむ。コーヒーのカフェインには眠気を覚ます効果があるが、身体に吸収されるのは飲んでから15~20分くらい後。そこで、それまでに短時間の睡眠をとることで効率のよい脳の疲労回復を促すのが「コーヒーナップ」の考え方だ。
コーヒーを飲み終えたあとは、ゼロジムのインストラクターの指導を受けながら、その場で身体をほぐすストレッチのような軽い運動をする。
そして、テーブルに用意された枕に突っ伏して、そのまま15分ほど仮眠。
室内にはヒーリング音楽が流され、リラックスした雰囲気が作られる。インストラクターの声にあわせて、ゆっくりと目覚めを迎え、その後また2、3分の簡単な運動をして、プログラムは終了だ。参加者からは、「わずかな時間でしたが、かなり深く眠れた感じで驚きました」「すごく気分がすっきりしました」といった声が聞かれた。
「ネスカフェ 睡眠カフェ×ゼロジム 出張眠らせ隊」は、大井町周辺の企業への出張活動をしていくとのことだが、就業時間中の睡眠活動は、ぜひ日本全国の企業で採り入れてもらいたい習慣だと感じられた。