経済学者の嘉悦大学教授・高橋洋一氏(62)が2月21日の衆議院予算委員会・中央公聴会で行った、「大学生が政権を支持する理由」に触れた意見陳述が、ネット上で若い世代を中心に話題となっている。
高橋氏は、平成30年度予算に関連して「政府のマクロ経済政策」について言及し、「雇用」を中心にすべきだと自論を展開。政府は「すべての人に職があるというのを目指すべき」だとし、「失業率が低いと自殺率も劇的に下がり、犯罪も減る」ことを理由にあげた。そして、若者について次のように述べたのだ。
「一流大学はいつも就職率がいいが、私のところの大学などは前年の雇用状況の影響をモロに受ける。正直いって5、6年前は就職が大変だった。ただし、今はほぼ全員が就職できるようになった。ハッキリ言って、ここ5年間のウチの学校の学力向上は全くありません。アベノミクスの金融緩和で失業率が下がっただけで、学生たちは自分の実力でないと理解してる。就職っていうのは学生の最大関心事なので、政権支持率が高いのはこれで説明できる」
この高橋氏の指摘には、SNS上でも「目からウロコ。そりゃ若者支持が高いはずだよ」「さすが高橋先生! ド正論すぎて左派陣営は言い返せない」「だから野党はSEALDs以外の普通の学生の声を聞いた方が良いとあれほど…」「学生と左派メディアとの温度差」など納得する声が飛び交っていた。
たしかに若年層の政権支持率は際立って高い。1月21日のFNN世論調査では、安倍内閣を「支持する」と答えた人の割合は全体で52.6%だったものの、「男性の10代と20代」に限れば71.8%、「女性の10代と20代」でも59.7%と、若い世代ほど安倍内閣を支持していることが明らかになっている。『サンデーモーニング』(テレビ朝日系)など、リベラル陣営からは「若者は安定を望まずに変化を求めろ」「若い人は広い視野で政治を見るべき」などと、高い安倍支持率を批判したが、この背景には明確な理由があったのだ。
「一方、18年卒の大卒求人倍率は1.78倍(学生1人に対し、民間企業1.78社の需要がある)となっています。『就職白書2018』によれば18年卒の学生が内定を取得した企業数は「2.45社」にものぼる。就職活動に困る学生がほとんどいない、売り手市場で『新バブル世代』とも呼ばれています」(社会部記者)
この就活の活況が続く限り、まだまだ若者たちの安倍支持は続きそうだ。