朝日新聞が「アベ退陣デモ」への参加を呼びかける、大型の意見広告を掲載した。その臆面もない倒閣の姿勢が話題となっている。
朝日新聞が「0414国会前大行動」デモを呼びかける特大な意見広告を掲載したのは、7日の朝刊だった。「安倍政権は退陣を! あたりまえの政治を市民の手で!」で始まる文面は「日本の民主主義を根底から揺るがす公文書ざん。前理財局長の佐川宣寿氏は証人喚問で真相を語りませんでした。また事件の鍵である安倍昭恵氏を含む関係者全員の証人喚問は必須です」と続き、「4月14日(土)14時から、国会議事堂前で真相究明を求め抗議を行います」とデモへの参加を呼びかけている。
私人である安倍昭恵首相夫人(55)を名指しし、ハッキリと安倍政権の退陣を呼びかけるなど、なりふり構わないプロパガンダ広告を掲載するのは「日本のクオリティペーパー」を自称してきた新聞としていかがなものなのか。「朝日新聞広告掲載基準」(06年)によれば「差別、名誉棄損、プライバシーの侵害など人権を侵害するおそれがあるもの、また信用棄損、業務妨害となるおそれがあるもの」などについては掲載しないとしているが、自社基準としてはかなりグレーなのではないだろうか。
この意見広告には、ソーシャルメディア上でも「意見広告って書かれてたけど、大手新聞社が堂々とデモの手伝いしていいの?」「櫻井よしこ氏が”セックススレーブ(性奴隷)20万人”の意見広告出そうとした時に『広告スペースがない』と断り、別日を提案しても回答を避け、事実上の掲載拒否をしていた朝日新聞が…」「意見広告というよりアジビラやん」と、広告掲載の規定を疑問視する多く声があがっていた。
また、なかでももっとも話題になっていたのは「広告費の出所」であった。朝日新聞の広告料金は、同広告よりも少し小さい「全5段(382×170)」でも1535万5000円とかなり高額。さらに毎日新聞、東京新聞、中日新聞にも掲載されたようなので広告の予算は推定4〜5千万円にのぼると推定される。同広告上でも「本広告は全国の賛同者から送られた寄付によって掲載されています」と銀行口座を記載しているものの、金額が大きいので、ネット上では出所を訝しむ声も少なからず見られた。
「あたりまえの政治を!」と声高に抗議する人たちにとっての「市民」とはいったい誰なのか。「あたりまえ」の反対語は「ありがたい(有り難い)」だという。彼らのいう「あたりまえの政治」よりも、多くの「国民」は「ありがたい政治」を望んでいるように思えてならない。