スウェーデンのハルムスタードで開催されている「世界卓球選手権」で、3日、女子団体戦・準々決勝で対戦するはずだった「韓国」と「北朝鮮」が急遽、南北合同チームを結成した話題を『とくダネ!』(フジテレビ系)が特集。突然の合同チームの結成に、疑問の声が相次いだ。
この問題は、卓球世界選手権の女子団体戦で3日、対戦予定だった韓国と北朝鮮が試合会場も入場後、いきなり両国の選手が握手をし始め、突如、試合をせずに合同チーム「コリア」の結成を発表。両者は戦わずして準決勝に進出することになった。準決勝では、別ブロックで勝ち上がってきた日本と対決する。
ことの経緯としては、2日、韓国と北朝鮮の両国から国際卓球連盟(ITTF)に合同チーム結成の申し入れがあり、ITTFが受け入れたという。
番組では、この異例の事態を受け、街で一般の人にインタビューすると、「ずるい。スポーツにまでそれ(南北の政治的問題)を持ってくるのは違うと思いう」「だったら、最初から予選からチームを分けないでやったほうがよかったと思う」「わざわざ予選で分けて戦った意味がなくなっちゃう」など、大会開催中に結成された南北合同チームに対して厳しい意見が集中した。
番組MCの小倉智昭も「2ヶ月前に統一チームで試合にのぞむなら分かるけど、試合(期間中)の最中に統一チームになっちゃうの?」と疑問を呈し、卓球男子日本代表の水谷隼選手も南北合同チーム結成を受け「スポーツが政治的に利用されるのはどうかと思う」という苦言も紹介された。
番組出演者のグローバー氏は「二国間で、韓国と北朝鮮の間で、合意して(合同チームの結成を)やったっていうことであれば、これは完全に政治的なメッセージ以外はないですよね」とコメント。新潮社の中瀬ゆかり氏も「スポーツの場所に政治を持ち込むなって、よく言いますけど。政治的パフォーマンスですよね、そういうふうにしか見えないし。非常に違和感は感じますよね」と不快感をあらわにした。
小倉は、終始納得がいかない様子で「こんなのがスポーツで通用するんだったら、例えば『中国が台湾を吸収合併しました』って、急に言い出したらどうなるんだっていう話ですよね」と持論を展開した。
今回の韓国と北朝鮮の南北チーム「コリア」の結成の狙いとして、龍谷大学の李相哲教授は「南北融和ムードをアピール」したいとする一方で「韓国と北朝鮮にとって、日本では『南北会談』の報道が冷ややかだったと捉えられていて、日本は共通の敵。南北が手を取り合うにはちょうどいい」と考えたんじゃないかという両国の思惑を解説した。
なお、世界卓球選手権で準決勝の相手が急遽南北合同チームと対戦することになった日本女子チームは、平野美宇選手は「え、マジかよと思ったっんですけど…」と本音を漏らし、石川佳純選手も「世界選手権らしく何かサプライズがあって…」と戸惑いを見せながらも「あまり考えすぎずにしっかりプレイしたい」と前向きなコメントをしている。
South Korean and North Korean teams receive standing ovations after deciding to form a unified Korean team for the upcoming semi-finals at the World Team Table Tennis Championships 2018, at Halmstad Arena in Halmstad, Sweden May 3, 2018. TT News Agency/Jonas Ekstromer/via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. SWEDEN OUT. NO COMMERCIAL OR EDITORIAL SALES IN SWEDEN. (Sweden)