こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

先日、中国人風刺漫画家の友人・ラージャオ先生(変態辣椒)はアメリカのメディア『RFA(Radio Free Asia)「地球さんのガン診断結果」という風刺漫画を掲載しました。

目には見えず、気がつけば身体の隅々まで蝕んでいるガン細胞。”中国こそ地球を侵食していくガン細胞”という、本質をついた面白い作品だと思います。今回はこのラージャオ先生のイラストさながらに、”ガン細胞”が世界をグローバルに蝕んでいる事件がいくつか報告したいと思います。

■中共の言論封殺に加担する検閲フィルターにグーグルが加担か?

まずは検索の王者・Google。同社では、数ヶ月前に中国国内向けのGoogle『Dragonfly』を開発中に「検閲に引っかかるキーワードを自動的にフィルターにかける機能を加えた」という報道があり、社内外を巻き込んでで大問題となっています。

同社の社員1400名が、「この機能はGoogle社が中国共産党の言論封殺に加担する」と反対し、署名しました。その声明文がこちらです。

https://www.gizmodo.jp/2018/08/dragonfly-1400.html

その後、9月5日にアメリカ国会が、国内の大手IT企業の重役たちを招き、中国市場に進出する意向を聴取する傍聴会を開きました。そこにFacebookとTwitter二社の重役は出席して「中国市場に進出しません」と証言しましたが、Google社の重役は出席を拒否して「Googleの欠席」と非難が巻き起こっています。

Googleが中国に鋭意進出する「ドラゴンフライ企画」が傍聴会に出席すると都合の悪くなるためだと想定できます。これに対し、日本の参議院情報委員会でもGoogle社の態度は強く批判されています。

https://www.voachinese.com/a/us-congress-social-media-china-market-20180905/4559869.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

Voice of America 2018年9月6日配信

さらにGoogleには電話番号の提供疑惑も合わせて持ち上がっています。

中国共産党に都合の悪い”タブーキーワード”を検索する中国人、あるいは中国に在住している日本人を含むすべての外国人対象に、Google社は登録された電話番号に通じてユーザーの個人情報を中国政府に送信するかもしれないのです。通報されたユーザーは中国の公安にマークされ「重点監視対象」になり、これではタブーを知りたいという検索行為自体が「犯罪」になってしまいます。

Googleは2010年に「検閲への懸念」という崇高な理念で中国市場から一度、撤退しています。それなのに、肥大化する中国という巨大市場を前に欲を出し、中国共産党に譲歩を余儀なくされているようです。

これには日本人は警戒するべきではないかと思います。現在、Google社はGoogleマップの情報を更新するために、Google作業車は日々、日本の街をくまなく撮影して、自社のGoogleマップにアップして、スパイさながらの、情報が筒抜けいなる行為をしています。日本政府はGoogle社の撮影行為を規制するべきではないかと思います。日本人の皆さまが、試しにGoogleマップで自分の家の住所を入力して、検索の結果、ご自身の自宅の外観が世界中にダダ漏れになることに対し、抵抗はありませんか?

■Amazonでは中国人社員によるレビュー詐欺が横行?

大手通販会社Amazonは中国人の出品者を招き、日本Amazonでも中国の出品者より中国から発送の商品を購入できます。もちろん、その中に本当に良い商品もありますが、中にはよく見るとレビューに「変な日本語で書かれた5つ星の評判」もたくさん増えています。中国人の私から見ると「中国語的表現」のような日本語レビューは、間違いなく中国人が日本人になりすまして自社の商品を持ち上げているとわかります。

中国の人海戦術を発揮すると、Amazonに「人気商品」にランキングされます。しかも、最近は明らかな偽ブランド品、悪質なコピー品、海賊版漫画も摘発されました。ほとんどが中国人による違法行為です。

また中国広東省深圳市にある、Amazon中国の中国人社員は、自社の職権を乱用して、以下の社内ルールを破る行為をしました。

https://cn.wsj.com/articles/CN-BIZ-20180917084547
WSJ 2018年9月18配信

1)評判の悪いレビューを削除する「裏サービス」を出品者に提供。削除1件に手数料300ドル払えば、出品者は偽ブランドや不良品などを販売する「黒歴史」を金銭により抹消できる。

2)悪い評判を投稿した購入者の本名や住所などの個人情報、出品者に渡し、出品者による報復を幇助

3)サイト内の販売データを市場調査目的の人に転売

4)一度Amazonに禁止された悪徳出品者を復帰させる

以上の裏サービスを行い、中国人社員は80~2000ドルの報酬を受け取っているのです。

これらはいかにも中国社会らしい現象で、中国の通販サイトでは当たり前のように横行し、今度はアメリカの企業でも同様のケースが起きる形となりました。

今回の件を受け、Amazon本社はAmazon中国を処罰するために、中国側の管理層を交代させました。Amazon日本にもし中国人従業員がいれば、同じことを行う可能性が考えられます。

■YouTube「削除」とTwitter「凍結」の裏に中国人サイバー攻撃の影

最後はYouTubeとTwitterの2大発信メディアについて。私の知り合いで在日ウィグル人のトゥール・ムハメットさんが9月19日に『虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)に出演しました。同日の放送では、中国共産党が新疆ウィグル自治区で、罪のないウィグル人を多数収容所に監禁し、拷問している「民族浄化」の動画が放送していました。

すると、その直後、同番組に「ガイドラインに違反している」との理由で、YouTubeの運営からライブ配信(10月15日配信予定の番組)を停止する処分が下りました。その後、ネットSNS上には「ウイグル問題を取り上げた直後に配信停止するのは怪しい」という書き込みが溢れました。

もちろんこの日の放送内容と、関係しているかは不明です。しかし、これまでも動画を削除してきたYouTube社の基準がどうも不明瞭で、大多数の人海戦術による「通報」が行われている節があるのは否めません。私のTwitterでのツイートでも同様の削除が行われました。

ちなみに通報を受けた私のツイート内容は「中国共産党の批判」ばかりです。私を通報した日本の左派層も自白しましたが、同じタイミングで中国人の五毛党も私を通報し、通報人数が一定の数に達し、Twitter社の自動システムが「一時ロック」をかけたのではないかと考えられます(利用を再開するために、当該ツイートを削除しました)。

また、天安門事件に参加して二度とも投獄され、現在、アメリカに亡命生活をしてる反中共の中国人ライターの陳破空さんも、中国共産党を批判するYouTubeの番組が定期的に公開し、最近いきなり登録者数が約千人以上減ったという報告をしています。

これは陳破空さんが告発する動画です。

陳さんは「中国共産党によるサイバー攻撃で登録者を解除させる工作活動の可能性」と危機感を呼びかけてます。

ともあれ、ITによりグローバル化した社会ではGoogleやAmazon、Twitterといった企業への”ガン侵食”は、おそるべき転移スピードで日本人の生活をも蝕んできます。日本政府はトランプ大統領を見習い、中国に浸食されないように、同国が関係している商業活動を監視し、ある程度の規制をかけることが必要でしょう。