こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

8月7日、アメリカ国会は、一帯一路の参加国を対象に、IMF(国際通貨基金)で貸し付けすることを禁止しようとする草案を発表しました。今回は米国共和党・トランプ政権の英断を解析します。

2015年、中国政府は中国主導のアジアインフラ投資銀行(以下、AIIB)を立ち上げました。これは、日米主導の国際通貨基金「IMF」と対抗する世界金融組織です。

当時、日本の元首相・福田康夫(82)、鳩山由紀夫(71)や左派層の政治家・辻元清美(58)、志位和夫(64)やメディアの『東京新聞』、『毎日新聞』や『朝日新聞』が一斎に、日本もAIIBに参加しよう、とゴリ押ししました。当時、私は以下のコラムを寄稿して、AIIBの正体を暴いて左派層を猛烈批判しました。

これには理由があります。中国政府がAIIBを立ち上げるタイミングで、「新シルクロード」と呼ばれる「一帯一路」計画が進められました。つまり、AIIBと「一帯一路」は、中国共産党が世界侵略のために生み出した一卵性双生児のようなものです。

2014年11月、中国北京で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平主席が「中国主導の新しい経済圏」を世界に提案しました。内容は中国から中東、ヨーロッパまで、古(いにしえ)の中国が世界にシルク製品を輸出していた経路を、再び繁栄しようという「大中華経済体」構想です。

この背景にあるものは、中国の国内インフラ事業が飽和状態でありために世界のインフラ事業に触手を伸ばすことと同時に、世界を影響下に置こうとする一挙両得の企みなのです。

主に途上国を相手に、その事業の資金をAIIBから融資するようなシステムが成立したら、中国のAIIBと「一帯一路」という極悪な一卵性双生児で世界覇権の土台が確保されてしまいます。

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