葬儀や墓石などの仏事に関するサービスで知られる、メモリアルアートの大野屋が、ペットを愛する人たちのために「ウィズペット」というサービスを行なっている。飼い主とペットが同じお墓に入ることができる同サービスについて知るために、2月12日に都内で開かれた説明会におじゃましてみた。
今まで以上に強まっているペットと人の絆
説明会では、まずペットの現状についての説明が行なわれた。少子高齢化が進む日本では、現在、犬猫の飼育数が15歳未満の子供の人口を上回っているという。
そんな中で、人のペットに対する意識も変化している。大野屋の調査によると、「あなたにとってペットはどんな存在ですか?」という質問に対する回答として「家族の一員」というものが圧倒的に多かったのだ。
こうした状況によって、ペットをどのように供養すればいいのかという飼い主の悩みも生まれている。
『老犬との幸せな暮らし方』などの著書もある、獣医師の石井万寿美氏も登壇し、獣医師の立場からペットの供養に関して語った。
石井氏によると、ペットの寿命が飛躍的に伸び、同時に犬猫の室内飼いが増えたことで、飼い主がペットと接する時間が増えているとのこと。こうした変化にともなって、人とペットの絆も今まで以上に強くなっているのである。
ペット専用の霊園ではなく、人の霊園に
人とペットとの関係性がこれまで以上に深くなった今、亡くなったペットを自分たちのお墓に一緒に入れたいと考える人も増えている。そうしたニーズに応えるのが、ウィズペットなのである。
ペットが人と一緒のお墓に入れるウィズペットだが、犬・猫以外のペットでも問題なく入ることができる。その他、「ペット専用の霊園ではなく、自治体の許認可を受けた人の霊園の中に設けられている」、「墓石の価格は通常のお墓と変わらない」、「ペットの遺骨だけ先に埋葬することも可能」、「すでに別のところにあるお墓からの改葬も可能」などの特徴がある。
ペットのための手元供養も
この日は、遺骨や位牌の一部を収納するペンダントやブレスレットの「Soul Jewelry」、遺骨や位牌の一部を小さな容器に入れて自宅に置く「Soul Petit Pot」、写真などを飾る「Soul Stage」など、手元供養のための商品「ソウルシリーズ」の紹介も行なわれた。
説明会では、ペットロスの緩和のためにはしっかりとした供養を行なうことも効果があると語られたが、こうした手元供養をペットのために行なうのもよいだろう。
2003年に東京都町田市の「町田いずみ浄苑」で始まったウィズペットだが、現在は計10カ所の霊園で提供が行なわれていて、完売する霊園も出るほどの人気を博している。大野屋としては、販売エリアを順次拡大していく予定だという。