1月9日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に防衛省防衛研究所の高橋杉雄氏(50)が出演し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(70)が「クリスマス停戦」を呼びかけたあとにウクライナに攻撃を行った理由について解説。番組出演者で信州大学特任教授の山口真由氏(40)がその理由を「面白い」と表現したことで視聴者から苦言を集めている。
プーチン大統領は、旧暦を使うロシアやウクライナの正教会のクリスマスにあたる6日正午~7日にかけて停戦を発効。しかし、その後もウクライナ各地で空襲警報が相次ぎ、東部ドネツク州の激戦地・バフムトも大きな被害を受けた。
この理由について高橋氏は、そもそもロシアが行ったクリスマス停戦は「本気ではなかった」と指摘。また、12月25日のクリスマスではなく、ロシア正教のクリスマスに停戦を呼びかけたことについても、「もともとプーチン大統領の世界観としては、ロシアとウクライナはひとつの世界であって、宗教的にもロシア正教のクリスマスに基づいている。今年はウクライナも反戦感情もあって、クリスマスは12月25日にやっている。そうじゃなくて、『ウクライナのクリスマスは本来ロシア正教のクリスマスと同じだ』って呼びかける、宗教を政治に使うような呼びかけだった」と分析した。
この解説に山口氏は、「私が高橋さんの説明で面白いなと思ったのは、クリスマス休戦の理由について、ロシアの方は、プーチンはいわゆるロシア正教の保護者で、ウクライナは西洋に被れて悪魔的だという自らの主張になぞらえて休戦をしている」と解釈。
続けて「要するにおそらく私たちは西洋的なバイアスを持っていて、ロシアも当然、同じように我々が思う合理性を持って考えているであろうと、そう思っているわけですけど、多分プーチンの頭の中はまったく別」とし、それがロシイアが戦略戦争を行ってきたことにも繋がるとした。
しかし、この「面白い」という山口氏の表現に視聴者からは「ゲーム感覚で動画見てるよなぁ」「そこらへんは繊細にいこうよ…と思った」「戦争について話すときに例えどんな事であっても『私が面白いな、と思ったのは』という言葉のチョイスはしちゃいけないのではないか?」といった苦言が集まっていた。
「山口氏の『面白い』発言は、戦争を面白がっている発言ではなく、解釈に対し『感心した』という意味。しかし、いまも多くの被害者が出ているロシアによるウクライナへの軍事侵攻というセンシティブな話題で、『面白い』という言葉をチョイスしたことに対し、違和感を覚えた人が多くいたようです」(政治記者)
多くの人が胸を痛めている話題だからこそ、言葉選びのミスでも批判を集めてしまうようだ。