3月2日放送の『めざまし8』(フジテレビ系)は、中国で栽培・販売されている「愛媛みかん」をめぐり、日本から“苗の無断流出”があったのではないかとの疑惑を報道。それに対する、コメンテータの社会学者・古市憲寿(38)と愛媛出身の実業家・大空幸星(24)の発言に批判の声が集まっている。
番組では、「これがわが四川省眉山の“愛媛38号のミカン”です」と紹介しながら、みかんのジューシーさをアピールするために握りつぶしているSNS動画を紹介。これは、中国のSNSで発信されているもので、男性は中国で栽培したみかんを「愛媛38号」と称して販売しているのだという。
しかし「愛媛38号」という品種のみかんは、愛媛県が試験的に栽培したもので市場には出回っていない品種。そのため今年1月には、愛媛県の中村時広知事(63)が「確認は取れないんですけど、今から20数年前に(中国から)視察団が来てその時に(無断で持ち出された)という可能性がある」と指摘している。
また中国では「愛媛」の名前を使ったミカンが次々と生産され、海外にも輸出されており、愛媛ブランドを損なう行為に国内の農家から怒りの声があがっている。
MCの谷原章介(50)から「品質の高い日本の野菜や果物、ちゃんと守っていきたいものですよね」と話を振られた古市は、「中国はおいしそうにプレゼンするのがうまい」と称賛し、「ひるがえって日本の農家さんがこれぐらいの動画とかを作って海外にミカンを売れてるか?っていうと、現状そうじゃない。競争力とかいう意味でも、商標とかの面を守りながら海外に向けて輸出していることは大事になってくると思います」と、中国の戦略を好意的にとらえている様子。
さらに、大空も「もちろんちゃんとライセンスをとって中国で栽培してもらうことに問題はないと思いますけど」と話したうえで、「古市さんもさっきおっしゃったんだけど、中国のバイタリティーみたいなのは日本には間違いなくないですよ」と、なぜか日本の農家を批判。「愛媛ですらそもそも品種名を使っていないミカンを(中国は)一斉に大量に栽培して海外にも輸出しちゃう。こういう風なバイタリティーを、県もそうだし農家側も持っていくということも必要かもしれないですね」と、中国の“バイタリティー”を見習うべきだと語った。
こうしたコメンテータの“中国擁護”ともとれる発言に、ネット上からは「論点ズレズレ。古市に大空」「無許可栽培の話なのに『中国を見習おう』に帰結させるコメンテーター」「なにこの日本下げしてるコメンテーターの男」「相変わらず古市は言っている事のピントがずれてるな。流出の真偽が問題なんだぞ。」「古市さんと大空さんの言い方を聞いていると、売り方が下手な愛媛のみかん農家が悪いように聞こえる」「盗っ人を褒めるか?バイタリティーって」と批判の声が集まっている。
「そもそも問題になっているのは、中国側に“苗の無断流出”という盗用疑惑があること。それを“中国のバイタリティー”と持ち上げるのは、“盗んだものでも売れればいい”と褒めているようなものです。確かにSNSを使っての海外アピールなど取り入れられるべき部分はあるかもしれませんが、“無断で栽培・販売している”ことを棚に上げての中国擁護には違和感がありましたね」(週刊誌記者)
愛媛ミカンに限らず、国内の果実の苗木や種苗が無断流出し海外で勝手に栽培・販売されていることで日本の輸出機会損失がブランド問題になっているが、これでも中国のバイタリティーを見習うべきと言えるのだろうか。