2000年以上も前から日本人の主食としてありつづけたお米。
かつて寒冷地での栽培が難しかったお米は、多くの人々の尽力によって品種改良がなされ、今では全国どこでも素晴らしい味わいのお米を作ることができている。
そんな日本人の食卓に欠かせない白米を美味しく食べる方法の1つ、それが、おにぎりなのではないだろうか。
今回は、そんな日本人の食に欠かせないおにぎりを、独自の発想で別な1つの料理として完成させたお店をご紹介したい。
お店の名前は「天むすの千寿」だ。
・「天むす」の発祥は1959年(昭和34年)
「天むす」とは、津市大門伏見通りで天ぷら定食の店を営んでいた初代が、1959年(昭和34年)に車エビの天ぷらを切っておむすびの中に入れたことから始まったとのこと。
1959年(昭和34年)と言えば、「週刊少年マガジン」「週刊少年サンデー」が創刊され、当時の皇太子様(現在の天皇陛下)がご成婚、そして王貞治さんが後楽園球場でプロ入り初ホームランと、高度経済成長を追い風に、日本が急速に発展を遂げていた時代。
そんな時代に産まれた「天むす」は飽きのこない味わいとして、東海地方だけでなく、全国の人々に愛される逸品となっているのだ。
・メニューは「天むす」のみ
こちらのお店のメニューは「天むす」のみ。
日本広しといえども、おにぎり専門店で、メニューが1つしかない、というお店は、日本中探してもこのお店しかないのではないだろうか?
それほど愛されている「天むす」は注文してから握ってもらえる、非常に暖かいメニューとなっている。
暖かい時はもちろん、こちらの「天むす」は冷めても非常においしく味わえる。
ご飯と海苔との相性は言うまでもなく、塩の塩梅も良いためお米の甘さが非常に際立つおにぎりとなっている。
そこにコーン油で揚げられた軽いエビの味わいが非常にマッチする。エビのプリッとした食感と海老の身の甘み、そしておにぎりの味わい。まさにおにぎりに新しいジャンルを生み出した本物の「天むす」がここにはある。
そして、天むすに添えられているのが、濃いめに味付けされている、きゃらぶき。
このきゃらぶきの味わいが、「天むす」全体の味わいを引き締めていることに気がつく。おにぎりの淡く優しい味わいと対照的なキレのある醤油の濃密な味わいが非常にあと引く味わいとなっている。
もし三重県津市を訪れることがあるのであれば、天むす発祥のお店で、本物の優しい味わいを堪能してみてはいかがだろうか?
きっとそこには、日本が急速に発展してきた時代とともに多くの人々に愛されてきた、美味しい味わいがあるに違いないのだ。
<お店の情報>
お店 めいふつ天むすの千寿(せんじゅ)
住所 三重県津市大門9-7
営業時間 9:30~17:30(L.O.17:00)
定休日 日曜日、第3月曜日
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