ドイツ観光のハイライトといえばロマンチック街道。中世の雰囲気が色濃く残る町ローテンブルクや隕石の衝突によってできたクレーター上に築かれたネルトリンゲン、白亜に輝く姿が美しいノイシュヴァンシュタイン城への玄関口であるフュッセンなど、ドイツの魅力が詰まった410kmの道のりです。

そんなロマンチック街道の北の起点となるのが、フランクフルトから電車で1時間ほどの所にあるヴュルツブルク。バイエルン州のフランケン地方に位置するこの町は中世から司教座として栄え、町の至るところに見られる教会や大聖堂からは当時の面影をいまでも伺い知ることができます。

その美しさは、文豪ゲーテがドイツで最も美しい町のひとつと評したほど。

世界遺産に登録されているレジデンツ(司教座)や地元で生産されるフランケンワイン、風光明媚な町並みなど、小さな町に魅力が沢山詰まったヴュルツブルク。今回はそんなヴュルツブルクの楽しみ方を紹介します。

ヴュルツブルクに着くと、町の中をトラムが走るヨーロッパらしい町並みが目の前に広がります。大学や音大もあることから学生が多く、町全体が活気に溢れていると感じる方も多いかもしれません。

この町でまず訪れたいのが、さきほども触れた世界遺産のレジレンツ。ドイツのバロック建築を代表する贅をつくした宮殿は、この地を治めていた大司教の居城として1744年に完成しました。

入ってすぐの場所にある「階段の間」と名付けられた大きな吹き抜けは、レジデンツにおけるハイライト。長さ18m、幅33mの天井には、イタリアの画家ティエポロ作の巨大なフレスコ画が描かれており、そのスケールの大きさには圧倒されるばかり。

館内にはほかにも豪華絢爛な部屋の数々がならび、当時の大司教が過ごした優雅な日々を垣間見ることができます。

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