11月23日(土)、岡山県が東京都内にてイベント「おかやま晴れ暮らしのすすめ」を開催した。岡山に移住した人たちによるトークセッションや食材、雑貨のマルシェなどが楽しめる内容で、移住を考える人たちに岡山の魅力を伝えるものになっていた。

イベントの冒頭には伊原木隆太県知事が登場。岡山で生まれ育ち、東京、ニューヨーク、ホノルル、パリなど国内外の様々な都市で暮らした経験を持つ伊原木知事が岡山の魅力について語った。

気候が穏やかで災害が少ない。落ち着いた環境でありつつ、アクセスがよいので何かしたいときにすぐ行動できる。県内の環境も様々で自分にぴったりな場所が見つけられるなどと、伊原木知事は次々と岡山の暮らしやすさをアピールした。

伊原木知事のあいさつに続いて、座談会とトークセッションが行なわれた。座談会はテーブルに分かれて、先輩移住者とイベントの参加者が語り合うというもの。参加者からの「住まいはどうしていたんですか?」といった質問に、先輩移住者が「最初は家賃がかからない、仮暮らしでした」など自身の実体験を踏まえながら具体的に回答した。

トークセッションでは、先輩移住者の一人である写真家の中川正子さん(冒頭の写真の左側の人物)が、同じく先輩移住者をゲストに様々なトークを繰り広げた。最初のゲストで、自然栽培農業を行ないながらカフェ「蒜山耕藝の食堂くど」を営む高谷絵里香さん(冒頭の写真の右側の人物)とは、岡山での暮らしについて語り合った。

もともとは東京を拠点に写真家として活躍していた中川さんは、東日本大震災をきっかけに岡山へと移住。周囲からは「撮影の仕事は東京がメインだから、地方に行ったらキャリアが終わるよ」と言われたが、中川さんは岡山で新しい仕事のやり方を見つけると決意。

これまでの経験を活かして、アートディレクターやスタイリストがいない撮影現場では、中川さん自身がそれらを担ったという。そのおかげで今は撮影だけだと物足りなさを感じるようになったと中川さんは笑い、幅広い仕事のスタイルを確立できたのは岡山に移住したからと語った。

千葉で自然栽培の農業を学んだのち、岡山の蒜山に移住した高谷さんは、自身がカフェ「くど」を営んでいる経験などから、家賃がリーズナブルな岡山では新しいことを始めやすいと語った。「くど」では高谷さんの作物を料理として味わうことができるが、中川さんによると、岡山の蒜山には高谷さんに続く食関連の移住者が増えていて、食の魅力が大いに高まっているという。

二人のトークでは、自分の感性に近い人が楽しそうにのびのびと暮らしているところを見ると、自分が移住してからの生活がイメージしやすくなり、移住の魅力が感じられるようになるのではないかということも言及された。

今回のイベントのほか、岡山では専門スタッフによるオンラインや窓口での移住相談、移住をテーマにしたセミナーやバスツアーを実施するなど、移住促進のための取り組みを盛んに行なっている。