アーラムはさらに、「インド、韓国、アメリカの規制をめぐる推測」や「ハッキング、フェイスブックの判断[注1]、テザーの疑惑[注2]」などの要因も投資家の不安につながったと指摘した。

[注1]フェイスブックは1月末に仮想通貨関連の広告を全面的に禁止。7月に一部緩和した。
[注2]米ドルに連動するステーブルコインをうたうテザーが、発行元が発行額に相当する米ドルを保有していない可能性を指摘され、CFTCが召喚状を送付。大手銀行が取引を中止した。財政審査を受けたテザーは6月に、流通量を上回る資金の裏付けがあると公表した。

●SECが仮想通貨取引所の登録に言及(3月5日~11日:マイナス21.4%)
3月7日にSECがある見解を発表。直後にビットコインは1万1530ドルから9000ドル近くまで急落した。

SECは仮想通貨の規制に関する公式声明を発表。仮想通貨取引所はSECへの登録や規制の対象となる外見を有しているにもかかわらず、未登録のまま取引所を名乗っていると指摘。デジタル・アセット(デジタル資産)を扱う取引所はSECへの登録が必要になるという見解を示した。

CNBCによると、SECは数週間前から仮想通貨のプラットフォームや取引所に召喚状を送付しており、業界への監視を強化しようとしていた。この見解が発表された直後にビットコインは大幅に下落した。

●ゴールドマン・サックスが仮想通貨取引の計画を棚上げ(9月5日~9日:マイナス11.7%)
9月5日、大手投資銀行ゴールドマン・サックスが仮想通貨の店頭取引(OTC)サービスの開始計画を取りやめたと報じられた。

ウォールストリートの巨人がOTCサービスを開始するという噂は、仮想通貨取引に参入する敷居が低くなり、一般投資家が急増するという期待を後押ししていた。

しかし、ビジネスインサイダーなど複数の報道機関が、ゴールドマン・サックスが計画を保留したと報道。同社のCFO(最高財務責任者)はこれを「フェイクニュース」と呼び、顧客の関心に応えて仮想通貨取引の手法の検討を続けていると述べたが、ビットコインは下落した。

●SECがICOに「初めて」罰金を科す(11月18日~20日:マイナス17.8%)
10月にビットコインが下落した要因がSECかどうかはわからないが、11月にICO(新規仮想通貨公開)に対して重要な行動を起こしたことに市場は動揺した。

CNBCによると、SECは未登録のICOの取締りを強化。適切な登録手続きを取らずにICOを実施したスタートアップ2社に対し、罰金を課すと発表した。

「SECがICOを証券登録法違反と見なし、民間企業に罰金を科した初めてのケースとなる」と、SECは声明で述べている。「いずれの企業も、被害をこうむった投資家に調達資金を返還し、トークンを証券として登録して、年に1度の報告書を提出し、罰金を支払うことに合意した」

●まとめ
一般に、ビットコイン急落の要因が1つだけということは考えにくい。しかし、2018年の仮想通貨に関するニュースと市場の関係を見ると、規制をめぐる不安が重大な影響を与えることは明らかだ。

(記事提供:LONGHASH)

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