渋谷区・芦沢一明区議会議員(52)が3月3日、新宿区の高層マンションから転落して、死亡していたことを産經新聞が報じたことで波紋が広がっている。同氏は北朝鮮に強いルートを持ち、昨年5月には平壌を訪問、日朝友好に長年尽力してきたことから、「謎の転落死」に様々な憶測が乱れ飛んでいる。
記事によれば同日午後2時25分頃、西新宿歩道で通行人が男性の転落を目撃して通報。警察が駆けつけたが、全身を強く打っており、その場で死亡が確認された。芦沢区議は体調不良を理由に3月2日の委員会を欠席しており、遺書は見つかってない。警察では「自殺した可能性が高い」とみて調べを進めているという。
だが、芦沢氏は2月26日のTwitterでも、立憲民主党系の市議の当選を伝え「頑張りたい」と前向きな書き込みをしている。また「選挙にも強い」との評判もあり、区議生活に不安を抱えていたようにも見えない。そんなこともあり、ソーシャルメディア上では「北朝鮮にまつわる政治的なトラブルに巻き込まれたのでは」と懸念する声が続出しているのだ。
たしかに、ここ最近、国内でも北朝鮮関連でキナ臭い事件が続いている。2月23日には、東京・千代田区の朝鮮総連中央本部ビルに男2人が車で乗り付け、鉄製の扉に拳銃数発を発砲する事件があった。また、それに関連してかは不明だが、日朝友好にたずさわってきた辛淑玉氏(59)も「ヘイトクライム(憎悪犯罪)から身を守るため、ドイツに実質的に『亡命』している」ことを3月4日の『沖縄タイムス』が報じている。
芦沢氏も「日朝友好促進東京議員連絡会」の代表を務めており、高校無償化から除外された朝鮮学校を支援する活動を続けてきた。また、昨年5月には元しばき隊でアメリカ入国禁止の措置を受けている山口祐二郎氏とともに北朝鮮を訪問するなど日朝親善に尽力してきたという。ならば、北朝鮮サイドから、もしくは北朝鮮との友好を好ましく思わない勢力から、なんらかのアクションがあったのではないかという疑いも、つい頭を過ってしまう。
芦沢氏が飛び降りをした西新宿3丁目のマンション『P』は、彼の自宅がある渋谷区・初台からは1kmほど離れている。2日前に体調不良で休んでいるのに、自宅ではなく、離れた場所へ行って自殺するだろうか。ともあれ芦沢氏の冥福を祈りながらも、我々は北朝鮮との問題に毅然とした決着をつけねばならない。