仮想通貨交換業を手掛けるDMM Bitcoinの田口仁社長へのインタビューの続編。これまでは、DMM Bitcoinが仮想通貨の決済領域へのビジネス展開の検討を開始していることを伝えた。今回は、DMM Bitcoinの現状の仮想通貨交換ビジネスと今後手掛けていく新領域との相乗効果の狙いや、来年以降の仮想通貨の動向について、田口氏の見方を聞いた。
規制強化でも対応できるビジネスモデル構築
DMM Bitcoinは現在、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、NEM(XEM)、リップル(XRP)、ライトコイン(LTC)イーサリアムクラシック(ETC)、ビットコインキャッシュ(BCH)のレバレッジ取引と、BTCとETHの現物取引を手掛けている。
現状のサービスの利用状況については、アプリのダウンロード数をDMMでは公表している。
「(アプリについては)約65万ダウンロードとなっている。アプリのダウンロードは順調に伸びている。年明けには70万ダウンロードになるだろうとみている」
また現在のサービスの利用のメインは、多様な通貨で提供しているレバレッジ取引。足元では認定自主規制団体(日本仮想通貨交換業協会)の定めた証拠金倍率上限4倍への対応を進めている。
「(証拠金倍率が)5倍から4倍に代わることで、極端に収益性に影響があると僕らは思っていない。実効的なレバレッジ倍率という意味では、みなさんが5倍ギリギリで取引しているわけではなく、実効的には4倍の範囲に収まっている」
ただ金融庁が設置した仮想通貨交換業等に関する研究会の議論では、欧州など海外の事例をもとに「証拠金倍率の上限を2倍に」という声も出ていた。研究会の報告書の中では、証拠金倍率の規制については明確な数字を示されていない。金融庁は証拠金倍率の上限について「通常国会で法案が成立した場合、ボラティリティ(価格の変動幅)を見ながら施行に近いタイミングで決定する」としている 。
田口氏は、研究会での上限2倍という議論について、影響があるだろうとみるが、その場合には新たにビジネスを再構築していくことにあるだろうと語る。
「(証拠金倍率の上限が)欧州などの2倍とか、それ以下となると、それは相応に影響を受けるかもしれない。2倍となって、極端に商い高が減少することになり、収益マージンが同じであれば、売上が減少することになるだろう。その場合に、スプレッドを縮めて、取引を活性化させるということもある。どのくらいの価格弾力性でスプレッドに対して商い高が増えるのかという中で、2倍なら2倍の落ち着きどころがある」
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