鶏ガラやかつお節、とんこつなどをブレンドしたスープは、あっさりとした和風味。

うどんだしのような優しい風味があって、初めて食べた人も懐かしい気持ちになれるはずです。ラーメンというよりは、うどんスープに近いと言ってもいいかもしれません。

そんな優しい味わいのてんかけラーメンは、子どもから大人まで、幅広い世代の人々が安心して食べられる、和歌山県民のソウルフードとも言えるラーメンなのです。

てんかけラーメンのおいしさは、スープと天かす、紅ショウガとわかめの黄金比に支えられています。

天かすがさっぱりとした和風スープに味の奥行きをもたせ、紅ショウガとわかめが後味をすっきりとさせてくれる。

一見シンプルでありながらも、食べてみると、実は計算しつくされたラーメンであることがわかるでしょう。

ストレートの細麺は、本社工場で製麺されており、天かすもスープに合うよう厳選されたものを使用。どんなこだわりがあるのかは、「秘密」だそうです。

それにしても、なぜお茶屋さんでラーメンなのか、不思議に思いませんか?

1958年、夏は緑茶の売れ行きが鈍ることに悩んでいた5代目社長が、「世界初の抹茶入りソフトクリーム」といわれる「グリーンソフト」を開発。その2年後、玉林園は直営の飲食店「グリーンコーナー」を開設し、本格的に飲食事業に乗り出します。

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