「ゴーゼ・ビール」の歴史は10世紀今から1000年以上前まで遡ります。

実はゴスラーでは、ローマ時代から銀や銅、鉛などの鉱物が採掘されており、武器など様々な用途で使われていました。

そして10世紀に莫大な鉱脈がゴスラーで発見され、大規模な採掘がランメルスベルク鉱山で行われるようになります。その鉱山で働く労働者に人気となったのが「ゴーゼ・ビール」なのです。

重労働によって大量に汗をかく鉱山労働者にとって大量の塩とコリアンダーを添加した「ゴーゼ・ビール」はまさに最高のスポーツドリンクでした。

当時の神聖ローマ帝国の皇帝オットー3世もその味を称賛したビールは、ヨーロッパ各地に輸出されるまで人気のビールになります。

そして、18世紀ごろにはゴスラーからライプツィヒにも製法が伝えられ、ライプツィヒでも多くの人々がゴーゼビールを楽しんでいました。

ところが第一次世界大戦後、ビールに関する法律が統合された結果、塩やコリアンダー、乳酸を使っていたこのゴーゼ・ビールは、違法なビールとなってしまいます。

また喉越しのよいラガービールなどの普及によって一時的に無くなってしまいそうになったのですが、第二次世界大戦の結果、ドイツは2つの国に分裂、その時にライプツィヒが東ドイツ領となったため西側の法律が適用されなくなり、現在までゴーゼビールの伝統が伝えられているそうです。

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