トルコ最大の都市イスタンブールは、首都がアンカラに遷るまで、オスマン帝国の帝都として栄えました。帝都イスタンブールを象徴するのは、なんといってもその美しいモスクの数々。特に、トルコ史上最高と評される宮廷建築家ミマール・スィナンの設計によるものは群を抜いて異彩を放っています。

イスタンブールにおけるスィナンのモスクを代表するものといえば、世界遺産に登録されているイスタンブール歴史地区内にあるスレイマニエ・モスクです。オスマン帝国を最盛期に導いたスレイマン大帝のために造られたもので、ボスポラス海峡を隔てた先にあるアジア側の丘の上にチャムルジャ・モスクが開堂するまではイスタンブールで最も大きなモスクのひとつでした。

460年以上前に完成し、いまでも多くの人々の祈りの場として機能しているスレイマニエ・モスクは、あまりにも大きなモスクのため敷地内からはその全貌を捉えるのが難しいほどです。そんなスレイマニエ・モスクを絶妙な角度で眺めることができる、知る人ぞ知る穴場のカフェ「ミマール・スィナン・テラスカフェ」の魅力をご紹介しましょう。

モスクの設計者スィナンの名に因んだ「ミマール・スィナン・テラスカフェ」は、モスクからほんの徒歩5分ほどのところにあります。このカフェからは、スレイマニエ・モスクの美しい全貌を捉えることができるほか、さらなる魅力が隠されています。

丘の斜面の途中に建っているというカフェの立地を上手く利用して、モスクのちょうど反対側にあるイスタンブールの絶景をも楽しむことができるようになっているのです。

次ページ
  • 1
  • 2