元AV女優が経営するキャバクラヨガなど、どこにも存在しなかったーー。25日に週刊文春(文藝春秋社)で報じられた、林芳正文科相の「キャバクラヨガ」報道。本サイトでも、上武大学教授・田中秀臣氏が執筆した「林芳正文科相『キャバクラヨガ』虚報を生んだ、リテラと週刊文春の歪んだ『反安倍報道』」という記事を掲載し、多くの反響を呼んだ。
https://news-vision.jp/article/188260/
田中氏は本文の中で、週刊文春とリテラの事実誤認を指摘し、「『反安倍商法』はむしろメディアの『膿』の方こそを明らかにしていないだろうか?」と提言している。今回、NEW’S VISION編集部ではこれを受けて、報道被害にあった庄司ゆうこ氏(34)の恵比寿のヨガスクールを取材し、メディアによる偏向報道の実態を探った。
駅から徒歩で5分ほど歩いた、恵比寿の中でも閑静なエリアに「キャバクラヨガ」と呼ばれた『ポジティブスター・ヨガ』はあった。商業ビルでもなく、言葉からイメージするいかがわしさとは程遠い、隠れ家のような雰囲気である。出迎えてくれた庄司氏に、林大臣もヨガを学んだであろう陽光さすスタジオに通され、そこで話を聞いた。
ーーずいぶん「キャバクラヨガ」という言葉のイメージと雰囲気が違うんですが。
「いやらしい書かれ方をされましたけど、普通のヨガスクールですよ。経理を担当してる母もいつもいますし、性的なサービスとかありえません」
ーーまず、当初の『週刊文春』からの取材はどのようなものだったんですか?
「いきなり携帯電話にかかってきたんですよ。なんで携帯番号を知ってるんですかって聞いたら『知り合いから聞いた』とか言われて。で、『林大臣がヨガに来ましたよね?』と尋ねられたので、(答えられる範囲で)正直に答えました」
ーーその取材で「キャバクラヨガ」と書かれた、お店の形態やサービスも聞かれたんですか?
「店のことはほとんど聞かれませんでした。聞かれたのは林さんのことばかり。やましいことはないと思ったので金額や支払い方法のことを話しました」
ーーなのに、誌面をみたら「セクシー個室」と書かれていたと?
「”元AV女優が経営するヨガ店で、グラビアモデルが個室で目隠ししてオイルマッサージ”とか書かれてて。私は過去の芸能活動でヌードになったことはありますが、AV女優ではありません。オイルなんて使ってなくてハンドクリームだし、目隠しも顔にタオルをかけるだけです。しかもヨガスタジオのこと、『ヨガ店』なんていいます? 言い方が、すごく悪意のある書き方だと思いました」
男女を問わず、心のストレスをとりのぞくヨガでは、アロマ効果やマッサージを行うスタジオは多い。編集部で恵比寿周辺のヨガスタジオに話を聞いたところ、プライベートレッスンでは「1万円/60分」「1万5千円/90分」(ともに女性向け)といった料金の店もザラにあるようで、この庄司氏のスタジオ(1.1万円/60分)が特別に高いわけでもないことがわかる。
ーーいかがわしいサービスなどないことは来れば分かることですが、実際に、週刊文春はお店へ取材に来ていたんでしょうか?
「文春さんは名前を伏せて(客として)実際に来てたようです。(リテラなど)他の媒体は来ていないと思います。なのに風俗まがいの、それも風俗とは書かずにそう思わせるようなニュアンスで書いて。それを、林さんがこの(文科省で加計学園の文書を調査していた)時期に行ってるという風に結びつけようとしたのが酷いなと思って」
現地を取材しながら、あえて「報道しない自由」で都合の悪い事実は伝えず、用意された結論へとミスリードする。そんな週刊文春の周到にして悪質な手法が浮かび上がる。取材もせず「その風俗店は、表向きヨガスタジオなのだが、じつは性的なサービスをおこなっているヤミ風俗らしい(週刊誌記者)」などと根拠なき記事を掲載し、謝罪・削除したリテラは報道メディアとして問題外だろう。
報道の看板を掲げる者たちは、政権=権力批判でさえあれば、たとえ女性経営者の人権が踏みにじられても許されるのか。「反日無罪」ならぬ「反安倍無罪」もいいところである。
庄司氏によれば、今回の報道を受けて『ポジティブスター・ヨガ』の女性インストラクターから「報道が恥ずかしいので辞めたい」「イメージが悪いのでサイトの写真を削除してほしい」という申し出や、男性会員から「報道を見た妻から疑われてしまった」という報告など実害もあがっているという。「訴訟も辞さない」と憤る同氏だが、続報では弁護士の見解をまじえながら女性の職業差別と人権問題の観点からも、『キャバクラヨガ』虚報を生んだ、この「反安倍報道」を考察してみたい。