このニュースの見出しを見てみても頭に「ギョ!…」とか書かれている。まぁ押しなべてどのメディアも食料品、とりわけ魚に関しては、そのニュースとしての扱いに若干真剣味が欠けているように、いつも思ってる。
ギョ!国道に600匹以上の魚散乱 落とし主は?:日テレNEWS24
まぁ普段の生活に密着していることなンだが、食べ物が“当たり前に”にある日常に慣れきってしまっている現代人には、食料品についての報道はあまり響かないことだからだろう。
ところで皆さんは今の日本の海から魚が消えていってることをご存知だろうか? この記事にある「スケトウダラ」もかなり減ってしまった魚種だ。少なくなってしまっているということは、値段もそれなりに上がるもの。落としてしまって決して笑っていられる状態ではないと思う。
スケトウダラというのは、主に加工して魚肉練り製品にされる魚だ。簡単にいってしまえば、蒲鉾やちくわ、おでん種、さつま揚げ等々の原料として使われている。またスケソウダラの卵こそが、みんなが大好きなタラコってヤツで、またそれを加工したものが明太子ってことなンだ。親より子の方が出世しちまって、人気になった魚だ。
この魚の資源の評価は、お気楽で知られるあの水産庁の発表でさえ「低位 横ばい」とされている。対策はしているとはいいながら、今のところこれといった成果(資源が増えている)は出ておらず、一部の関係者のあいだでは、すでに枯渇に向かってまっしぐらだと言われている。
■世界一もいまは昔? 資源枯渇と高齢化で日本の漁業がピンチ
実はこの現象はスケトウダラに限ったことではない。日本国内で流通している多くの国産の魚が資源枯渇と背中合わせの状態になっている。
17年の漁獲量、4年連続最低更新 資源管理策見直しへ:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASL4V249NL4VULFA001.html
魚が捕れないから漁業という産業が伸びるはずもなく、漁業者の年収は300万にも満たない。収入が少なければ、当然若い人たちは職業として選ばなくなってしまい、漁業就業者の平均年齢は65歳とも言われている。それでも食っていかなきゃならないから、国からの補助金で何とかしてもらってる状態だ。
かつては世界一の漁業生産量を誇ってきた我が国が、なんでこんな状態になってしまったのだろう?
それには諸説ある。もっとも幅を利かせている説は、地球温暖化による環境変化だと言われているが、オレ的には乱獲=人間による魚の捕り過ぎが原因だと思ってる。だって環境変化が原因だったら、他の国や地域も魚が捕れず漁業という産業自体疲弊してしまっているはずだ。
しかし北欧をはじめオーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ等の国々は魚が豊富で、漁業は成長産業となっている。
なんでこんな差が生まれてしまったのだろうか? これはもっとも日本らしいともいえ、また国内で起きている他の悪い現象とも根っこが通じる、日本独特の仕組みのせいだとオレは思ってる。水産資源と漁業の問題については、また頃合いを見計らって書きたい。