それは大きな旭日旗でした。

実際に艦上で使用する大きさのものでしょう。その旭日旗を背景に立つ真っ白な制服姿。海の男、軍人らしく日焼けした精悍な顔と、鍛え上げられた体躯。

海上防衛に当たる自らの体験と、海外での生々しい平和維持の現場。淡々と事実のみを語る様は、返って私に真実味を与えるに十分な、何とも魅力に溢れた空間でした。

こんにちは! チバレイです。本当に暑い日が続きますね。

災害復旧の現場で熱中症が多発との報を受け、心配しております。早期復旧を心からお祈りします。

福岡・糸島の生活も2ヶ月目を迎え、東京とは全く違う生活にも慣れてきました。

朝、カーテン越しにに入ってくる強烈な日差しと蝉の声。18時から始まり20時辺りでようやく水平線に沈む太陽。全ての自然の営みに改めて驚き、そこに「神」の存在を感じる。そんな日々を送っています。

先日。FMからつの森田淳社長からお誘いいただき、佐賀県は唐津市に行ってきました。この方、ご自身の番組では言いたい放題(笑)! 保守としての活動もさることながら、戦前からの伝統的民族派団体とも交流され、先人の慰霊顕正をおこなうという熱血漢。

その森田社長の同級生が海上自衛官で、8月の退官を前に、現職として最後の制服姿での講話をされるとのこと。

海上自衛隊 佐世保教育隊司令
梅崎時彦 一等海佐

護衛艦「あさぎり」「いかづち」「いせ」「はたかぜ」の艦長を歴任なされ、他国軍との合同軍事演習は元より、PKO平和維持活動の現場を統括されてきた猛者であり、エリート。帝国海軍での大佐に相当するお立場なのです。

【絆 未來へ…】と題された講話はスライドを使い、時に映像を流しての2時間。

先ずは、海洋国家日本の海上防衛、合同軍事演習のこと、PKO平和維持活動のことを「自身の主観をなくして語る」と前置きされ、事実のみ誇張もなければ、体験者としての感情も入れずに淡々と語られました。

可能か可能でないか、法によって雁字搦めにされた自衛隊。それでも他国は「軍」として当然の行動を求めます。

「非戦闘地域」とされる地域でもテロや戦闘は繰り広げられます。しかし携行が許された火器(いわゆる武器です!) はとても戦闘に耐えられない小規模なもの。

仲間や同盟国の兵士を助けにいく「駆け付け警護」にいたっては今回の南スーダンでようやく権限が付与されました。

「死んでこい!」「他は見殺しにしろ!」といわれるに等しいことですが、現在の法規制と解釈の中、自衛隊は苦悩と危険の真っ只中にいるのです。

■日本の自衛隊だから持ち得る!? 平和に貢献するソフトパワー

さて、そんな中で私が最も感銘を受けたお話。【ソフトパワー】の話。

【ソフトパワー。国家が軍事力や経済力などの強制力ではなく、その国の持つ文化や政治的価値観、政策の魅力などに対する支持や理解、共感を得ることにより国際社会からの信頼や、発言力を獲得し得る力】のことです。

梅崎一等海佐の口調は熱を帯びてきます。

このソフトパワーを持つことこそが自衛隊と現代日本人、日本民族に最も必要である!と断言。

悠久の歴史が育んだ独自の文化。世界唯一無二、万世一系の天皇を戴く国柄。一神教ではなく、八百万の神々に深く感謝する宗教観。和を以て尊しとする、親切で約束を大切にする民族性。勤勉さ故に今日の繁栄を築き上げ、経済的な国際支援を怠らない政治的良心。かつてはアジア独立のために米国を始め、西洋の国々を相手に闘った誇り高さ。

当に天から授けられし力! 米国でもロシアでもありません。中国でもあり得ません! それが許されるのは、我が日本だけだと感じるのは私だけでしょうか?

自衛隊は軍ではありません。しかし武力を持った国防機関であることに変わりありません。梅崎一等海佐は武力とはおよそ真逆の考えを以て、自衛隊と日本の将来を考えていたのです。

そしてそのソフトパワーは特にPKOの場で発揮されたといいます。

戦闘に疲弊し、衣食住にさえ困った民族や地域住民。銃口を突きつけても、荒んだ心を溶かし、生きる希望と活力を与えることはできません。

先ずは共感し、理解すること。誠心誠意相手側に立って寄り添い、常に笑顔で接すること。これが日本の(自衛隊の)国際平和維持活動だったと。これに尽きると。

■「日本人に手を出したら征伐する」自衛隊が尊敬と信頼を集める理由

確かに海外に派遣された自衛隊は、どの地域でも歓迎され、尊敬を集め感謝されていると聞きます。

30年近く経つカンボジアでは、自衛隊の活動がいまだに感謝され、紙幣に日の丸が使われています。

サマワでは、かの「ヒゲの隊長」(佐藤正久・現 自民党議員)率いる部隊にも感謝と尊敬が集まります。そしてある部族長は「日本軍(人)に手を出したら一族郎党征伐する」と告示、更には自衛隊の駐留継続を願うデモまで起こったのです。

新しいところでは南スーダンで大統領が自衛隊の活動を称賛し、自ら謝辞を述べています。

自衛隊のソフトパワーは、地域住民の信頼と尊敬を受けることでテロを防ぎ、結果自身の安全確保に大きく貢献したのです。

同時にそれらの積み重ねが、日本国を信頼できる「友人」とする国際的な評価に繋げてくれています。

更にはこのソフトパワー、国内の災害時にも遺憾なく発揮され、かつての自衛隊アレルギーを無くしたどころか、今や自衛隊は無くてはならない「最後の砦」との信頼を集めるまでになったのです。

このように世界中から信頼され、尊敬される自衛隊です。悪く言うのはせいぜい中国、朝鮮半島と日本の左翼(パヨクも含む)くらいなものです。

■愛する者を身を挺しても守る、自衛官の強さを作る「教育」

梅崎一等海佐は現在佐世保教育隊司令として、明日の海上自衛隊を担う若者の教育に当たられています。

そこでの教育にも感銘を受けました。

【自衛隊の任務について】
「志を持つ。志とは人のために目指す目標である」
「使命とは命の使い方。何のため誰のための使命か自覚せよ」
「愛する国(人)をまもるために身を以て職務の完逐に務め、国民の付託に答える覚悟をもて」

【自衛官たる者の愛国心】
「愛する者を守る気持ち、愛する者の幸せを願う気持ち」
「愛する者のためなら一身をなげうって己を犠牲にしようとする心の働き」
「その心の働きを共有し、平和を願うことこそ、自衛官の愛国心である」

「この心の働きはいつの時代も普遍である」と締め括っています。

なんと崇高にして烈々とした気概!

我が身を挺してでも愛する国と人を守る覚悟! この徹底した教育と訓練を受けた若人が自衛官として任務につけるのです。

私たちが考える以上に自衛官は高い愛国心と職務意識を有しており、それは「軍人」といってもなんら遜色ありません。

前回のコラムで自衛隊の優しさ頼もしさの根底に「強さ」があるからと書きました。今回それを上回る烈々たる愛国心と、自己犠牲の精神を宿すからこその自衛隊なのだと再認識しました。

改めて自衛隊の活動に感謝と敬意を払います。同時にその存在を心から誇りに思います!

■国歌や国旗に「ごく自然な敬意」を持てる国になるためには…!?

さて、国歌君が代の斉唱時に起立しなかった元教員が、再雇用されなかったと訴訟していた件で、最高裁は元教員らの逆転敗訴を言い渡したと報じられましたね。

当然です! 我が国では【国旗国歌法】によって日の丸は国旗、君が代は国歌と定められています。

都立高校の教員ということは公務員、即ち日本国に務めること。そこから給与を貰いながら自国の国歌や国旗に敬意を持たず否定し、貶めようとするなど論外です。

思想・良心の自由と共に、言論・出版・結社は法によって守られています。だからといって教育現場に個人の政治的な思想心情を持ち込み、およそ中立的でない偏った教育を行うことも、それを容認することも絶対に許されないことです。

外国と違い、日本人の愛国心とは家族的な、内から湧き出でるものです。国家との契約や、宣誓するような類いのものとは性質が違います。

その自然発生する愛国心を正しく導くためにも、1日も早く正しい愛国教育がなされることを!そしてそのための【教育勅語】と【修身】の復活を望みます。

熱気を帯びた講話会場で、梅崎一等海佐の講話は続きます。英霊顕正の話や、出逢った人との絆について。これがまた魅力的で感動的なお話ばかり。紹介できないのが残念です。

やがて最後に締め括ります。

この旗の国に生まれ、
この旗の国に育ち、
この旗の国を守る!

と。

個人の暮らしも、身体も、時に命を賭してまでも、愛する国と人を守ってきた「軍人」の笑顔は本当に清々しくも威厳に満ち溢れたものでした。

唐津市のヒーロー・梅崎時彦一等海佐の活躍に関して興味をお持ちになった方は、一度検索してみてくださいね!