5月31日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、岸田文雄首相(65)の長男で総理秘書官を務めていた岸田翔太郎氏(32)が更迭された問題を受け、日本の政治家の“世襲議員”の実態を特集。テレビ朝日報道局局員でコメンテーターの玉川徹氏(60)が「究極の親ガチャ」と表現した。
昨年末、首相公邸の公的スペースで“閣僚ごっこ”のような不適切な行動をとっていたことが報道され、6月1日付で辞任することになった翔太郎氏。昨年10月に総理秘書官に就任したばかりだが、今年1月には岸田首相が欧州・北米5か国を訪れた外遊に同行し、大使館の公用車を使用してパリやロンドンの観光地巡りをしていたと週刊誌で報道され、「世襲総理もその息子も非常識」「外遊は海外で遊ぶって意味じゃないぞ!」とネット上で批判が殺到したこともあった。
一方、番組では「この後、しばらく表に出てくることはできないだろうが、総理の後継として出てくることを皆さん、忘れているのでは」という政府関係者の声を紹介。これに玉川氏は「腹立たしいけど、確かにそうかもしれない」としたうえで「世襲の問題って昔から言われているけど、世襲の政治を追認しているのは国民ですからね」とコメント。
ただ、今回の件に関しては国民の「関心が非常に高い」とし、その理由を「もしかしたら“究極の親ガチャ”を見せつけられているのではないかと、国民は」と説明。玉川氏は「そもそも自分の子どもを総理秘書官にすること自体が公私混同」とずっと指摘していたが、「『もしかしたら(総理秘書官に)相応しい人かもしれない』という一縷のものがあった」とも語り、羽鳥慎一アナウンサー(52)も「能力があれば、世襲でも問題ない」とうなずき。
しかし実際は、「もしかしたら優秀かもしれないと思ったら、次々とこういうことが起きて。やっぱりただの親ガチャだったなと」と呆れ、「親ガチャの何が問題かというと、どういう所に生まれたかで人生が決まるという無力感」「現職の大臣20人のうち、6人が世襲。これは、国民の中に究極の無力感を作り出してしまう」と、政治家における世襲の問題点を指摘。その結果、「政治的無関心がさらに進んでしまう」可能性があると危惧していた。
一部報道では、翔太郎氏の心が折れて自ら『もう辞める』と申し出たことや、翔太郎氏の秘書官就任には裕子夫人の意向があったことなどが報じられている。“親ガチャ”によって、政治家の器でない人物が秘書官になってしまった最悪の例だが、表に出ていないだけでこうした世襲は何十年にわたって行われているのだろう。
とはいえ、政治家を“勝ち組”と思わせるような玉川氏の「親ガチャ」表現には、「政治家散々叩かれて政治家の担い手がいないとか言っているご時世で、政治家が当たりみたいに言われてもね~」「テレビ局の人間が親ガチャって言ってしまう辺り謹慎の意味はなかったのかなw親ガチャって普通に差別用語だと自分は認識してるんだけども大丈夫ですかねぇ」「玉川さん、既得権益って連呼するなら、今いるテレビ局の既得権益も一度壊した方がいいよね」との声も集まっていた。