もしも前述のビットメインなどのように自分達自身でデータセンターを持つとするととても高額になってしまいますが、他の方法もあります。マイニングをしている会社の株を取得するという方法もあるし、マイニング・コントラクトを購入してクラウドマイニングをすることもできます。

たとえば、クラウドマイニングの最大手企業ジェネシス・マイニングのようなマイニング・プール(複数で協力してマイニングを行う形態)によってマイニングに参加できます。これらは、直接的ではなくとも別の方法でマイニング市場に参加する方法といえます。

ただ私個人の経験としては、仮想通貨やブロックチェーン分野に、より直接的な投資を行うことによって素晴らしい経験を得ました。それぞれのビジネスが成功を収めたことで、私自身の投資も成功することとなりました。

一例として、私はリップルが将来的にどうなるかわからないシード期にリップル社へ投資することを決めました。リップル社のプロジェクトのコンセプトは、「マイニング作業を必要としないビットコイン」というものでした。

その当時(2012年頃)1ビットコインは2、3ドルくらいで、リップルやKrakenなどに初期の段階から一定額を投資しました。2012年頃、まだICO(イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨技術を利用した資金調達手段)ブームが起こる前の頃です。マイニングの方式について議論が起こるのもまだまだ先の頃で、「この投資によって世界が変わる」という信念を持って投資を行っていました。

また、私はひとつのものに決め込んで投資をするよりも、なんでも良いので様々な分野に分散して投資を行うという方法が良いと思っています。ベンチャーキャピタルがよくこのアプローチを行います。英語で「ショットガン投資法(狙撃より散弾銃)(ピンポイントより、幅広く)」といいますが、様々なものに投資することで広がりを持たせることもひとつの方法だと思います。

(つづく~「Bitcoin.com CEO ロジャー・バー氏インタビューvol.3 今後10年の仮想通貨投資【フィスコ 株・企業報】」~)

【ロジャー・バー Profile】
1979年1月27日生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。仮想通貨ニュースサイトおよび仮想通貨ウォレット事業やクラウドマイニング事業などを多角的に展開するBitcoin.comのCEO。仮想通貨関連スタートアップのエンジェル投資家。仮想通貨の黎明期である2012年頃から、海外送金に特化した仮想通貨プロジェクトとして注目されるリップルや、仮想通貨オンライン・ウォレット・プロバイダー、仮想通貨取引所への投資を行っており、仮想通貨界隈で大きな発言力を持つ人物の一人。

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