壁を壊して、アクティビティデータを流通させるべきなのです。そうしたデータを取引するマーケットプレイスも、分散型プラットフォームを使って実現できます。

■もし、アクティビティデータを個人が売りに出せるとしたら、どれぐらいの価格で売れるものなのでしょう。データの売買だけで生活する人も現れるのでしょうか。

価格は需給で決まるので何とも言えませんが、働かなくても済むほど高く売れるケースは、多くないと思います。

みんなが何らかのデータを持っているでしょうから、希少性と必要性次第でしょうね。

少なくとも、人々が知らないうちに、様々なデータを引き抜かれて集積され、プラットフォーム企業の収益性強化に使われるようなことはなくなるでしょう。今までユーザーがコントロールできなかった個人データが、マネタイズも含めてコントロールできるようになります。

■他者に属するデータを使うのなら、ちゃんと対価を払って仕入れてほしいものですよね。

もし、アクティビティの痕跡を残したくないときは、残らないようにし、データを忘れてほしいときは消去できるようなコントロール権を個人に認めなければなりません。

ブロックチェーンは、こうし個人ごとの任意のデータコントロールを可能にし、特定の企業がそのコントロールへ不正に介入できないようにするシステムでもあります。

(つづく~「LONGHASH Japan代表 クリス・ダイ氏インタビューvol.6 和服トークンエコノミー【フィスコ 株・企業報】」~)

【クリス・ダイProfile】
中国上海出身。LONGHASH Japan代表取締役社長。中国と日本のクロスボーダー投資ファンドLeland Capitalの共同創設者兼CEO。中国と日本での活動を中心に、幅広いビジネスマネジメントと投資を行い、COO/CIO Yixing SCM(ロジスティクス・プロバイダー)、Accentureのコンサルタント、複数のベンチャー企業の共同設立者。中国のビットコインとイーサリアムの早期の投資家の一人で、2013年から仮想通貨投資に携わる。経済産業研究所ブロックチェーン研究会委員。2004年にスタンフォード大学でマネジメントと科学と工業工学卒業。

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