ゴシック様式のヴォールト天井や窓は、中世ヨーロッパの教会を思わせまずが、ここはドイツ騎士団の団員や、西ヨーロッパから招かれた兵士たちが食事をとった場所です。

「マルボルク城(聖母マリアの城)」の名の通り、天井装飾にも聖母マリアが登場。聖母マリアの絵画や彫刻は、マルボルク城で繰り返し登場しますので、ぜひ細かな部分の装飾にも注目してみてください。

この大食堂で最もユニークなのが、当時の床暖房システム。床下には3層の空間があり、熱せられた石の熱気で部屋全体を暖める仕組みになっているのです。

何世紀も前とはいえ、ここは冬の寒さが厳しいポーランド。意外にも近代的な暖房設備があったことに驚きです。

マルボルク城の展示空間はいくつもの部屋に分かれており、なかにはオーディオガイドの案内がないとそうとは知らず素通りしてしまいそうな部屋も少なくありません。

そんな展示室のひとつが、中城にある琥珀の展示です。もともと倉庫だった地下ホールを利用した展示室では、巨大な琥珀の原石や、虫や植物が閉じ込められた希少な琥珀、琥珀で作った豪華な装飾品などが展示されていて、見ごたえ十分。

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