ヨーロッパとアフリカのあいだ、地中海のほぼ真ん中に浮かぶ島国マルタ共和国。

東京23区の半分ほどの大きさしかない小国ですが、世界でも有数の豊かな歴史と自然を誇る、知られざる魅力にあふれた国です。

マルタを構成しているのが、おもにマルタ島とゴゾ島、コミノ島の3つの島々。

マルタ島は首都ヴァレッタを擁する最大の面積を占める島で、ゴゾ島はマルタ島の北に位置するのんびりとした風情が残る島。

3つの島のなかで最も小さいコミノ島は、マルタ島とゴゾ島のあいだに位置する3平方キロメートルにも満たない近い小さな島です。中世の時代、この地でクミン(マルタ語で「kemmuna」)が栽培されていたことから、「コミノ」と名付けられました。

コミノ島には一軒だけホテルがあり、「コミノ島在住者」はそのホテルを経営する家族だけなのだとか。無人島に近いだけあって、コミノ島にはリゾート開発とは無縁の手つかずの自然がそのままに残されています。

そんなコミノ島で近年話題になっているスポットが、ボートが浮かんで見えるという「ブルーラグーン」。

マルタの海は高い透明度を誇りますが、なかでもコミノ島周辺の海は世界有数の透明度で知られています。あまりにも透明度が高いゆえ、海面に浮かぶボートの影が水底に落ち、ボートが浮かんでいるかのように見えるというのです。

船でコミノ島に到着すると、乾燥した荒々しい島とは対照的な、透き通った海の美しさに息を吞むはず。

島から眺める海は、この通りの透明度。「感動」という言葉が陳腐に聞こえてしまうほど、雄大な自然の風景に圧倒されます。

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