16世紀に建てられた聖ヨハネ騎士団のイタリア総督、ドン・ピエトロ・ラ・ロッカの住居として建てられたもの。数世代のイタリア人の騎士たちの住まいとなった後、18世紀にマルタ人に売却され、現在もマルタの家族が暮らしています。

内部はガイドツアーで見学することができ、豪華なダイニングルームや礼拝堂、書斎などから、当時の暮らしぶりが垣間見えます。

建物や部屋自体は昔のまま保存されていますが、絵画や写真など調度品のなかには新しいものもあり、過去と現在が交錯する不思議な空間です。

・聖エルモ砦

ヴァレッタの先端、グランドハーバーに突き出す角のようなところに築かれた砦。15世紀にはすでに軍事戦略上の要所だったといい、1522年に聖ヨハネ騎士団がオスマン・トルコ軍を迎え撃つために砦を建設しました。

最終的に騎士団が勝利を収めた1565年のマルタ大包囲戦で一度陥落するも、その後新たに砦の城壁が築かれ、マルタ防衛の重要な拠点であり続けました。

現在、聖エルモ砦恒例の名物となっているのが、日曜日に開催される軍事演習パレード「イン・ガーディア」。

次ページ