世界でも有数の長い歴史を誇るマルタは、考古学資料の宝庫。
かつてプロヴァンス出身の騎士たちの宿舎だった建物を利用した国立考古学博物館では、先史時代の巨石神殿をはじめとする遺跡からの発掘品などを展示しています。
ヴァレッタ近郊の巨石神殿に飾られている出土品は、ほとんどがレプリカ。ハジャー・イム神殿の祭壇や像など、貴重な品々はここに展示されているので、しっかりと見ておきたいところ。
なかでも有名なのが、巨石神殿からの発掘品である「マルタのヴィーナス」やハイポジウムから発掘された「眠れる女神」の像。いずれも手のひらサイズのごく小さいものですが、その造形美と時を超えて生き延びてきた存在感は格別です。
・騎士団長の宮殿
パレス広場に面して建つバロック様式のファサードをもつ宮殿で、聖ヨハネ大聖堂同様、ジェラーロモ・カサールの設計で1547年に完成しました。現在はマルタの大統領府および議会として使われていますが、一部の部屋は博物館として公開されています。
宮殿内部の廊下は、色大理石が床を彩り、重厚感漂う甲冑が並び、今にもどこからか騎士が現れそうな雰囲気。鮮やかな赤が印象的な「大使の間」や、大包囲戦の様子が描かれた壁画のある「最高審議の間」など、豪華な部屋の数々は必見です。
宮殿の入場料には兵器庫の見学も含まれており、18世紀の騎士団長の馬車や、騎士たちが使用していた甲冑、武器などを見ることができます。
・国立図書館
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